楽天株式会社は14日、携帯電話事業への参入を表明、2019年中のサービスを開始し、利用者1,500万人を目指す。

総務省の周波数割当受付開始後に4G周波数帯の取得申請を行い、認可されれば、NTTドコモKDDIソフトバンクグループに続く第4の携帯電話事業者となる。

 

楽天が携帯電話事業に参入する背景には、ここ数年のユーザーのモバイルシフトが進んでいることが挙げられる。現在、楽天市場のモバイル端末経由取扱高は6割超を占めており、楽天グループ全体のモバイル経由の取扱高も増加している。

今後の楽天グループ全体のサービス拡充、新規展開を考える上で、モバイル端末がもっとも重要なユーザーとのタッチポイントであると楽天は発表しており、楽天はEコマース、Fintech、デジタルコンテンツ、モバイル通信等のインターネットサービスを包括的に提供できる企業を目指す。

もし楽天が第4の携帯電話事業者となった場合、既存3社もそれぞれ取り組んでいるECモールを利用した囲い込みも、楽天市場を利用することで可能となる強みがある。また、楽天は既にNTTドコモの通信回線を借りることでMVNO(仮想移動体通信事業部)市場に楽天モバイルとして参入しており、最もメインで利用されている格安SIMサービスと呼ばれるまで成長させたノウハウもあるため、既存の携帯電話事業者3社にとっても脅威になる可能性が高い。

 

楽天が携帯電話市場に参入することで、ユーザーにとっての一番のメリットは、長く寡占化されている今の携帯電話市場に価格競争が生まれ、既存3社も利用しやすい料金に値下げが行われることになることにある。楽天の今後の動向だけではなく、既存の携帯電話事業者3社が今後どのように事業を展開しているかに注目する必要がある。