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マーケティング
2017/10/10

メンズアパレル「SPU」のこだわりのECサイトと実現するFutureShop2

東京でも人情味あふれる高円寺駅。そこから5分ほど歩くと、メンズアパレルショップ「SPU(スプ)」を運営するSEETHELIGHTの事務所にたどり着いた。ドアを開けると、目に飛び込んでくるのは外の街並みとは一線を画した近代的なエントランス。黒を基調とした空間の中で、大きなモニタやネオン管サインがアクセントに使われており、同社の内装への強いこだわりを感じた。今回お話を伺った打合せスペースも、着ると外出が楽しみになりそうな新作が自然光の下に並べられている。

メンズアパレルショップ「SPU(スプ)」を運営するSEETHELIGHTでは「きれいめカジュアル」をコンセプトとした、シンプルでどのようなスタイルにも合わせやすいアイテムを中心に取り扱っている。現在EC事業はメンズアパレルショップであるSPUをメインに展開。自社ECサイトに加え、楽天市場Yahoo!ショッピングポンパレモールSHOPLISTWowma!、ZOZOTOWNなどの主要モールに全て出店。また、SPU唯一の直営店として実店鋪の運営も行っている。

 

今回は、SEETHELIGHTのECサイトSPUに導入されているFutureShop2を提供する株式会社フューチャーショップの協力のもと、SEETHELIGHTにインタビューを実施。EC事業を立ち上げてから今までの歩みや、自社サイト構築における独自の取組みを紹介する。

 

 

SEETHELIGHTのEC展開の歩み

 

SEETHELIGHTがEC事業を立ち上げたのは約14年前。まずは自社ECではなく楽天に出店する形で開始した。

現在はSPUという名称に変更を行っているが、元々のショップ名はSPUTNICKS。また、別ラインで展開されているECサイトも「SOYOUS」となっている。どちらも宇宙船を元に命名されたもので、無限に広がるインターネットの世界とマッチした名前だ。

14年前といえばECの黎明期。オンライン上でのメンズのアパレルショップも数少なく、まさに手探りで道を切り拓く時代だった。それでもEC事業立ち上げに踏み切った理由は、インターネットが各家庭に急速に普及しつつある状況であったこと、現在の会社代表が前職でECでのアパレル商品の販売経験があったことなどが決め手となった。

立ち上げ時は1DKマンションの一室でサイト作りからメルマガなどの販促、在庫管理、受注、梱包、発送までありとあらゆる業務をスタッフ総出で行なっていたという。日中はサイトの更新やクリエイティブの作成をして、夕方になると全員で商品発送をする。特に発送直前になると、廊下にダンボールが積み上がり足の踏み場もなくなるくらい埋め尽くされてしまう。そして、配送業者が来るとスタッフ総出でトラックに詰め込み、またパソコンの前に戻る、というような状態がEC事業開始から約1年間続き、ついにマンションの一室に在庫が入り切らなくなったタイミングで30坪ほどの事務所に移り、最終的には現在の高円寺の事務所に移転することになった。100坪ほどある現在の事務所に山積みだったダンボールも約6年前からはアウトソーシングを活用し始め、倉庫に在庫を置き商品発送を行うなど、効率化を図っている。

 

 

自社ECの成長の秘密はクリエイティブに徹底的にこだわること

 

このように順調に成長しているSPUだが、その背景にはどのような強みが隠されているのだろうか。創業期から一貫して「きれいめカジュアル」というテーマを掲げていたが、EC事業を現在のように軌道に乗せるのは容易ではなかったはずだ。

一番の強み、そしてこだわりは、EC事業立ち上げ直後からクリエイティブだという。商品画像やページレイアウトなど、ユーザーの目に触れる部分は14年間一貫して自社制作を貫いている。当たり前のことではあるが、実店鋪とは違い、直接手にとって商品のデザインや素材感、サイズ感を確かめることが出来ないオンライン販売では商品画像や説明テキストでどれだけユーザーに伝えられるかが鍵になるからである。アウトソーシングしてしまうと自分たちが思い描くニュアンスがなかなか伝わりにくく、指摘・修正などに工数を取られると商品の良さを一番理解している自社制作のほうが効率的ということもあるだろう。

▲写真のレイアウト選定から撮影までの自社で完結させている

現在は最低でも週1回ペースでバイヤーとのスタイリングミーティングを行い、服装のコーディネートだけでなく、商品画像自体のレイアウトに関する検討も行うほど徹底している。それ以外にも、一度掲載を開始した商品画像がしっくりこない場合は画像の差し替えや、画像内でモデルが着ている色が在庫切れになると在庫がある色で再撮影を行うこともあるなど、細部まで消費者目線でのこだわりを突き詰めている。

また、クリエイティブへのこだわりは画像だけにとどまらない。EC事業立ち上げ当時はメーカーから仕入れた商品の販売を行っていたが、ユーザーの満足度を高めるためにお客様の声を取り入れ、テーマの「きれいめカジュアル」を更に追求すべくオリジナル商品の開発にも着手し、現在では商品の8割はオリジナル商品が占めているという。

 

 

FutureShop2の導入

 

SEETHELIGHTが自社ECサイトを立ち上げたのは2008年。その1年後の2009年に株式会社フューチャーショップが提供するFutureShop2を導入してEC事業を本格展開。当時を振り返ると自社ECサイトを展開するにあたり、何をやればいいのかも手探り状態だったという。そんな中、いくつかのECプラットフォームを見比べたときにFutureShop2の自由度の高さが魅力的に見えたそうだ。立ち上げから一貫してクリエイティブをどこまで表現できるかにこだわる中で、モールによっては文字数や、使えるタグなど色々な制限があり、自分たちが伝えたい方法で商品を伝えることが難しかった。最も価値を提供できるクリエイティブを表現するために自由度の高いFutureShop2は最適な選択肢だったのだ。

自社ECとモールの顧客の違いを訪ねてみると、来店目的が挙げられた。自社ECサイトの利用者はSPUがECサイト上で表現する世界観に共感し、「きれいめカジュアルならSPU」と思ってもらえるようなリピーターが多いそうだ。

そんな世界観を共有するための取り組みとして、自社ECサイト限定コンテンツの制作を行っている。現時点では自社独自コンテンツとして、おすすめのファッションコーディネートを載せるSPU STYLING COLLECTIONを提供。加えてYouTubeでスタイリングを紹介するようなコンテンツも展開を行っている。その他、TwitterFacebookといった主要SNSや、アパレルコーディネートアプリWEARでのコンテンツ発信だけでなくリスティング広告、メルマガ配信など集客の施策は幅広く展開し、自社ECサイト独特のコンテンツを継続して強化することで、自社ECサイトに再び訪れてもらうきっかけを作っているという。自らの強みを自社ECで十二分に発揮したECサイト運営を実現していると言える。

 

 

自社ECサイトは顧客の「ファン化」に力を入れる運営を

 

集客施策も万全、販売する商品やECサイトにもこだわりを持ち、盤石に見えるSPUだが、今後さらに力を入れたい点が一つあるという。それはリピーター対策だ。リピーターが売上に占める割合が高いことを受け、顧客の「ファン化」への仕組みづくりを検討しているという。自社ECサイトにおける施策の1つとして検討を進めているのは、FutureShop2の機能である会員ステージの導入。会員ステージ機能では、購入金額や回数などの条件から判断し、ステージ別にポイント付与率の変化やクーポン発行ができる他、VIP会員に対して特別なメールマガジンを送ることもできる。ここでも、SPUは自社のクリエイティブ性に重点を置き、会員機能のステージ名に関しても自社独自の会員ステージ名を構想している。

社内のホワイトボードには、びっしりとステージ名候補が書き並べられており、独自のクリエイティブに対するこだわりの強さが伺われた。自社ECサイトだからこそできる、ユニークな表現を大切にし、SPUの世界観を伝えたいというのだ。また、ただのリピーターやファンというだけではなく、ユーザーがよりSPUに親近感を持ってもらえるような雰囲気を作っていくことにも注力していきたいという。今後も、クリエイティブを通して他社にはない方法でリピーター、ファンとの一体感を作っていくそうだ。

 

 

SPUにも導入されているFutureShop2とは

 

FutureShop2はアパレル・ファッション、コスメのEC事業者を中心に2,300店舗以上が利用しているECプラットフォームだ。”消費者にとって快適な購買体験”を提供するため、年数回の定期的なバージョンアップや、EC業界の時流に合わせた機能を常に追加、改善を実施。意識せず最新バージョンが利用でき、時代に即した様々なファン化への施策を実施できるという。10社につき1社は年商1億円超え、平均年商は5,000万円超と売上の高いECサイトを支えるプラットフォームである。

決済代行やCRMを始めとした多種多様な外部ECサービスとスムーズに連携をすることも可能。Amazon PayにECプラットフォームとしていち早く対応した他、スマートフォンで圧倒的に利用されているコミュニケーションツール、LINEとの連携オプションの提供、そして10月23日からはiPhoneのTouch IDだけで購入が完了するApplePayとの連携機能が追加されることが発表されている。トライアンドエラーを行いながら様々な施策を実施し、売上を創りあげていきたいEC事業者は検討する価値があるだろう。

実店舗を運営しているEC事業者はオムニチャネル化を促進するプラットフォーム、FutureShop2Xが利用できる。これはFutureShop2の機能に加え、実店舗とECのポイントシステムや顧客データを一元化し、顧客の購買行動を理解する一助となるシステムだ。

機能が多岐に渡るプラットフォームだが、使いこなすためのサポートに関しても力を入れているという。電話やメールでのサポートやECの勉強会も定期的に開催しているということだ。システムというテクノロジーと人のサポート、両軸を提供しているのがFutureShop2と言える。