【越境EC】中国では日本商品をどのようなきっかけで、どのような商品を、どのようなプラットフォームで購入するのか | EC業界ニュース・まとめ・コラム「eコマースコンバージョンラボ」
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越境EC
2018/03/26

【越境EC】中国では日本商品をどのようなきっかけで、どのような商品を、どのようなプラットフォームで購入するのか

中国では日本商品をどのようなきっかけで、どのような商品を、どのようなプラットフォームで購入するのか

 

越境ECも一時期の盛り上がりから一転、ブームも落ち着きを見せてきている。その背景には中国向けにモノを売るのは思ったよりも難しい、コストも結構かかってしまう、広告の投資対効果も上がらないなど、売ることの難しさに直面した声を多く聞く。とはいえ、依然として中国において越境ECはニーズが高く、その中でも日本商品の人気は根強いという。そこで今回は「今」の中国ではどのようなきっかけで、どのようなプラットフォームで、どのような商品を購入するのか、見ていきたい。

 

 

中国向け越境ECの過剰だった期待値と誤解

 

このような状況になったのには、中国は広大で、人口が多く、多くのモノがネットで飛ぶように売れる、そしてそれは日本商品も同じだ、という少し誤った過剰な期待値が背景にあった。しかし実際には、そんな簡単に中国人はモノを買ってくれないし、そもそもそんなに簡単に商品を見に来てくれない。これは翻って考えて見ると、日本のオンラインの実情とそう変わらない。多くの企業がオンラインでひしめきあい、ただ単に商品をネットに置いただけではもはや誰も買ってくれないし、見てもくれない。広告投資し、ソーシャルを活用し、コンセプトをストーリー化し、根気強く露出を増やし、徐々に潜在顧客に認知を獲得していく努力を行っている。そしてようやく少しずつモノが売れていく。初期の投資対効果は赤字になることがほとんど。

結局中国も同じなのだ。しかし多くの日本企業はここ数年で中国に進出を、その手法は様々だが行ってきた。しかしそのような根気強い取り組みをしないまま、売れない、投資対効果が悪い、と諦めている。

 

では改めて、「今」の中国では、どのような「きっかけ」、でどのような「商品」を、どのような「プラットフォーム」で、日本の商品を購入しているのか、最新のアンケート調査をもとに見ていこう。このアンケートはヴァリューズ社の中国での調査パネルを利用して2017年12月に行ったものだ。

 

※当記事で使用した図表のデータ及び、ヴァリューズ社の中国ネット分析サービスの資料はこちらからダウンロードできます。

 

 

その商品を知ったきっかけは何か

 

「今」の中国人はどのようなきっかけでオンラインで、そして越境ECで日本の商品を購入するのだろうか。商品購入の一番のきっかけを見ていくと、プロモーション系が計14.6%、口コミ系が計46.9%であり、企業によるプロモーションよりも、ユーザー同士の口コミが商品購入に大きな影響を与えていることがわかる。

 

さらに詳しく購入きっかけの一番の理由を見ていくと、最も多いのが「家族・知人・友人からのおすすめ」で20.5%、その次に「口コミがいい」ことが13.8%を占めており、知人や家族からの口コミの他に、実際に自分が使って良かったから購入したという人が多いようだ。一方で、日本では有名人が使用している商品が爆発的に売れるということがよくあるが、中国においては有名人によるプロモーションはあまり効果がなく、一番の理由として回答している人は0%であった。また、KOLについても2%に留まるなど、身内のおすすめが最も重要になっていることがわかる。このように、企業や有名人によるプロモーションにそれほど信頼がなく、実際に自分や周りの人が使ってみて感じた感想を基準に購入する商品を決定しているようだ。

 

 

どのように商品を探すのか

 

次に「今」の中国人はどのように商品を探しているのだろうか。商品探しで最も利用した方法を聞いてみると、ECサイト・アプリ内でブランド名・商品名で探したい商品を検索している人が47.7%と圧倒的に多いようだ。

 

一方で米国などでも昨年頃から調査で表れているように、検索エンジン自体でブランド名・商品名を検索するユーザーはECサイト・アプリ内のそれと比較して半数程度にとどまっている。商品を探すという意思を持ったユーザーは、ECサイト・アプリ内を起点にアクションを起こす傾向が強いことが中国でもデータから裏付けられている。

 

<参考>

Amazon vs 検索エンジン、どちらの対策を重点的に行うべきか - 「都市伝説」に対する検索エンジンサイドの調査結果

【米国】Googleに替わり、Amazonが検索エンジンになっている

 

 

どのプラットフォームをどのような理由で使うのか

 

それでは、「今」の中国人はどのECサイト・アプリを、どのような理由で利用しているのだろうか。越境ECで日本商品を購入する際に、この半年以内で最も利用されているECサイトは、予想に違わずTmallが66.4%でトップとなっている。

次いで、JD.comが54.5%、Amazonが50.3%となっており、越境ECにおいてはAmazonの存在感が中国国内でも高くなっていることが分かる。一方で、楽天などの日本のECサイトは、それほど浸透していないようだ。楽天はこの図の圏外の12位の10.6%となっている。

 

次に、どのような理由でそのサイトを利用するのかを見ていくと「品揃いが豊富だから」もしくは「ほしいものがあるから」が一番の理由となっている。

中国で最も利用されているTmallに関しては、一番の利用理由として「品揃えがいい」「欲しいものがある」が 合計で52.6%、JD.com、Amazonでもそれぞれ37.1%、40.8%と非常に高い割合となっている。上位3社のTmall、JD.com、Amazonに関して「安い」というのはそのECサイトを利用する上であまり重要でなく、それぞれ一番の理由としては5.7%,、4.4%、5.4%と低い割合である。「サイト・アプリがおしゃれだから」という理由も、Tmall、JD.com、Amazonでそれぞれ3.1%、3.8%、3.4%と非常に低い割合となっており、これらはあまり重要視されていないようだ。また、信頼できるという点は利用する上でやはり重要であるようで、最も利用されているECサイト上位3社ではいずれも一番の利用理由として20%程度を占めている。

このように、商品を安く買えるサイトよりも、欲しいと思う商品を幅広く扱っている信頼できるサイトが多く利用されているようだ。

 

 

どのような商品に興味を持っているのか

 

中国では「今」どのような商品に関心が集まっているのか。化粧品・食品・ドラックストア系・その他という4つのカテゴリ別に見ていこう。

 

化粧品では、資生堂の製品が非常によく売れている。特にSK-Ⅱは、中国で非常に高い人気を博しており、高くてもいいから安全性・品質ともに高く、しっかりとした効果があるものを使いたいという意識がうかがえる。また、SK-Ⅱなどの高級ラインだけでなく、資生堂の専科シリーズ、またハトムギ化粧水などの低価格の商品も売れていることから、日本製品であるならば高品質で安全な商品であるという認識があるようだ。

食品に関しては、白い恋人・東京バナナ・ロイズのチョコレートといったご当地商品に加えて、カルビーのフルグラなどの日常的な食品も人気がある。

ドラックストア系では、サンテFXやロートなどの目薬が意外にも良く売れている。その他には、品質の良い日本製の炊飯器や魔法瓶といった商品に関心があるようだ。

こうして見ると、中国人にとって日本商品の魅力とは何といっても「安全性」と「品質」の高さということが分かる。最近では中国も豊かになり、安い中国産の安全性が不確かな商品より、高いお金を払ってでも高品質で安心できるものを使いたいという傾向がある。また、氾濫する偽造品に辟易として正真正銘の本物の商品を購入したいというニーズが非常に高くなってきているのだ。そのため、越境ECでも、本物で、安全で、品質が高く、日本でも反響のあった商品が非常によく売れていることが分かる。

 

 

中国でしっかりモノを売っていくために

 

データから中国でどのように日本商品が購入されているのかを見てきたが、中国でモノを売っていくためには安さよりも、本物で安全性や品質が高いことをしっかり訴求し、顧客のニーズに見合った流行の商品を幅広く取り扱っていることが重要であるようだ。商品購入の理由の分析から、企業や有名人によるプロモーションは信頼・影響力があまりなく、実際に使ってみた感想や知人の口コミをもとに商品を購入していることがわかった。そのため、中国でどのような日本商品が人気があるのかをしっかり調査し、トレンドをしっかりと抑えることが大切であるといえるだろう。特に、日本商品に対するニーズの高い化粧品に関しては流行の移り変わりが激しくECサイトにおける購入頻度も高いため、中国で人気のある商品をしっかり押さえる必要がありそうだ。

 

 

ヴァリューズ社の中国EC市場調査サービス

 

ヴァリューズ社の中国ネット分析サービスは、中国人のWeb上の行動実態について分析できるサービスだ。中国人のネット行動をデータベース化し、広告出稿サービス、8大ECモール分析、インターネット行動分析など詳細のレポーティングを可能にしている。

 

※当記事で使用した図表のデータ及び、ヴァリューズ社の中国ネット分析サービスの資料はこちらからダウンロードできます。