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越境EC
2018/03/14

WeChatのMiniApps(微信小程序)が中国のEC業界に与える影響と可能性

WeChatのMiniAppsが中国のEC業界に与える影響と可能性

 

皆さんはWeChat(微信)はご存知だろうか。そう、中国版LINEと言われるMAU9.5億人を誇る超巨大コミュニケーションアプリだ。しかし、そのMiniApps(微信小程序と言われると、知っている人はかなり少なくなるのではないだろうか。今回は、そのMiniAppsに焦点を当て、その破壊的概念と、それが主に中国のEC業界に与える影響と可能性を考えていく。

 

※この記事は、WeChatのMiniAppsを利用した越境ECサービス「WeStock」を展開するbolome社から情報提供を得て作成した記事である。WeStockの資料は以下からダウンロードすることができます。

 

 

WeChatとその影響力の「今」

 

WeChat(微信)は、月間アクティブユーザー数(MAU) 9.5億人を誇る中国最強アプリと言ってもいいだろう。これまでは中国版LINEと言われたように、チャットを中心としたコミュニケーション機能が重視されてきていた。しかし、ここのところWeChatは企業が情報発信していくメディア機能とアプリのオープンプラットフォーム化を進めてきており、存在感はさらに高まってきている。

中国でも日本と同様に、各事業者が積極的にメディアでの情報発信を行ってきており、iiMedia社の調査によると、その運営主体は2017年末時点で260万にも及ぶと言われている。そしてその中の63.4%がWeChat、19.3%がWeibo、3.8%が今日頭条を利用しており(2016年データ)、WeChatの活用が非常に進んでいることが分かる。その結果、微信の企業・サービスアカウントである微信公衆号のアカウント数は2017年末時点で1,400万に達しているのだ。

 

一方で中国の広告市場全体を俯瞰してみよう。中国では2015年に既にTVを抜きネット広告が広告投資額で首位に立っている。2015年時点でネット34%(その内モバイル15%)、テレビ33%だ。そして2018年には、ネット広告51.3%(その内モバイルは35%)、テレビ27%となることが予測されており、今後はネット、しかもモバイルが最大の広告市場になることが既定路線となっている。

そのような状況の中でWeChatは企業のブランディングや広告投資を受ける受け皿としての役割をさらに増してきているのだ。

 

 

MiniAppsの破壊的概念

 

まだ日本人にはあまり馴染みのないMiniAppsだが、WeChatのアプリのオープンプラットフォーム化の中核をなす概念だ。ミニプログラムと訳されることが多いが、その言葉からは想像も出来ないような革新をもたらす考え方であることはあまり日本では知られていない。

MiniAppsはAppleやGoogleが支配するスマートフォンのホーム画面を奪いに来ていると考えると分かりやすい。AppleのAppStoreやAndroidのGooglePlayの独壇場となっているアプリ市場の概念を根底から覆す可能性のあるもので、これはWeChatが中国国内で爆発的に浸透しているからこそ成せる考え方だろう。スマートフォンを常に使う、という状況からWeChatを常に使うという状況にシフトを促すものとなっていくことを狙っているのだ。

2017年1月9日にリリースされたMiniAppsは既に凄まじい勢いでユーザーを獲得し。2017年10月には2億人まで伸ばし、2018年1月には4億人とこの2ヵ月で倍増。この増加の背景にはWeChat内でのMiniAppsへの導線を強化したことが影響している。その結果、既に現時点でWeChatユーザーの45%がMiniAppsを利用していると言われている。

Mini Appsでは、現在、配車アプリや出前アプリなど、通常のアプリとしてリリースされているものが、どんどん移植されリリースしてきており、まさにAppStoreやGooglePlayに取って代わる存在になるための足場を固めている状態だ。EC系のMiniAppsのユーザー数は、2017年末に8,000万人、2018年末には1.7億人、2020年末には4億人まで伸びると言われており、EC業界でも影響力が増加していくことが間違いないものとなっているようだ。

 

<参考>

【中国】Wechatの「Mini Apps」がリリース - アプリ市場に革新をもたらす可能性も

【中国】Wechat(微信)のMini appsはスマートフォンのビジネスモデルにどのような影響を及ぼすか

 

 

企業アカウントはどのようにWeChat、そしてMiniApps上でユーザーを獲得し活用しているのか

 

では、その今後爆発的な勢いで伸びていくことが予測されているWeChat、さらにはMiniApps内で企業はどのように活動していけばいいのだろうか。まず、企業は公式アカウント(微信公衆号)を開設し、そこの中の購読アカウント(サブスクリプションアカウント)で情報を発信していくことが基本となる。公式アカウントはLINE公式ページに近い概念、購読アカウントはブログ+RSSのようなものだと考えると分かりやすいだろう。

WeChat利用ユーザーは、WeChat公式アカウントの使用頻度が非常に高いというデータもある。毎週20回以上使用するユーザーが28.1%、毎週11~20回使用するユーザーが29.4%など、1週間で5回以上使用するユーザーの合計は75%以上にものぼるという。MAUから推計すると7億人以上の活発なアクティブユーザーが存在していることになる。

その結果、既存の大手メディアも微信公式アカウントを非常に重要なものだと考えている。例えばテレビ局のトップ30の100%、新聞社のトップ100も100%、ラジオ局のトップ100では99社、雑誌のトップ100の中では97社が微信公衆号を持って情報発信を行っている。また、WeChatはいページのインプレッションやCTR、ファンとなっているユーザーの属性情報など、事細かに公開しており、企業がマーケティングを行うために非常に有用なプラットフォームになってきている。

しかし、一方で中国で認知の高い一部の企業を除き、アカウント開設初期のユーザー獲得は非常に大変だ。特にMiniAppsは、AppStoreのようなポータルサイトがないこともあり、導線が十分に提供されていない。現在、MiniAppsに来訪したユーザーは、他のユーザーによるシェア経由で23%、公式アカウントの購読号経由で21%が大部分。他はQRコードと検索経由で、それぞれ5%程度となっている。

そのためMiniAppsを拡散するためにはシェアや公式アカウントを絡めた運用を行うことが重要になってくるのだ。

 

 

依然としてKOLの活用は不可欠

 

KOL(中国のネットインフルエンサー)は数年前から、中国のオンラインマーケティングの代名詞とも呼ばれるほど脚光を浴びている。その勢いはここのところ鈍化しているものの、依然としてその影響力は無視できない。そのため、MiniAppsの拡散にもKOLを活用することが欠かせないケースも出てくる。しかし、KOLも自身のブランディングを適切に行わないと人気を得ることが難しくなってきていることもあり、広告主の要望通りにアクションを取ってもらえないケースもあり、企業側からすると少しコントロールが難しい部分もある。しかし、逆にKOLも生活がかかっているため、KOLの求めているものを理解することで上手く協力関係を築くことが出来るケースも多いという。例えば、KOLは商品を宣伝し、自分が運営するECサイトでその商品を売っているケースが多いが、その商品が偽物だと、一気にKOLの信頼に傷がつくため非常に敏感になっている。また、そのような背景もあり、フォロワーの興味関心を惹くことが出来る正規品を、ある程度の種類、定期的に仕入れることも難しいとされている。

このように、企業からの一方的な要望の押し付けではなく、KOLとWin-Winとなるような良い関係性を築き、企業アカウント、そしてMiniAppsを拡散していく必要がある。

 

<参考>

KOLの影響力とビジネス構造を読み解く - 中国でのオンラインマーケティングに欠かせない役割

凄まじい影響力を持つ中国ネットインフルエンサー「網紅(ワンホン)」の実態と活用方法

 

 

MiniAppsの可能性

 

中国におけるマーケティングにおいて、WeChatがどれほど重要か、そしてそのMiniAppsがどれほど可能性があるのかがお分かり頂けたのではないだろうか。しかし、一方でその活用のためのハードルは依然として高いものがあり、KOLとの関係性構築など一朝一夕では行えない部分も多い。しかし、今後MiniAppsを活用したサービスがどんどん出てきて、WeChat内でのMiniAppsの存在感、そして中国全土におけるMiniAppsの存在感はさらに増していくことは間違いない。“ミニプログラム”と思って侮るのは非常に危険で、MiniAppsは今後の中国のEC業界を変えていく可能性を秘めているのではないだろうか。今後の展開に注目していきたい。

 

 

MiniAppsでの販売プラットフォーム「WeStock」

 

bolome社が提供するMiniApps上での販売プラットフォーム「WeStock」は、BASEのようなインスタントEC機能と、KOLによる販促機能を併せ持つものだ。WeStockは単にカート機能だけでなく、多くのKOLを抱えているという点が特徴的。また「WeStock」ではEC機能のシステム提供のみならず、bolome社がこれまで培ってきた日本・韓国の商品を越境方式で中国に届けるサプライチェーンを活かし、日韓1万SKU以上の商品のドロップシッピングサービスも提供している。つまりKOLは「WeStock」でショップを開設すれば、今日からすぐにでもMiniApps上で日韓の爆買商品を取り揃えた越境ECショップをスタートすることができる。

また、bolome社がネットワークするのはWeChatの公式アカウントで多数のファンを抱えるKOLだ。その上、彼女たちが公式アカウントでお勧め商品の情報配信を行い、そこから「WeStock」で作成されたMiniAppsのKOL自身のショップに誘導し、そのまま商品購入まで完結できる。このようにKOLによる情報配信から商品購入までが、WeChat上でシームレスに完結できるのも特徴的である。MiniAppsのサービス設計を考える際に、シェアや公式アカウントを絡めた集客導線を設計をすることは重要で、「WeStock」はまさにこれを体現したサービス設計となっている。「WeStock」は2017年12月にベータ版を開始ししてから、わずか3ヶ月でネットワークしているKOLに紐付くファン数は3,800万以上にものぼる。同社の事業計画によると、2018年末には1億8,000万人のファン数を獲得していく計画だと言う。

インバウンドや越境ECのプロモーションでも、昨年から中国KOLの活用が進んでいるが、これまではWeiboを活用することが一般的で、WeChatのKOLはまだ開拓が進んでいなかった印象がある。「WeStock」はMiniAppsの盛り上がりに合わせローンチされた、情報配信の「KOL」と商品販売の「売り場」が一体となったマーケティングプラットフォームであり、日本商品のブランド認知拡大と商品販売実績の両方を実現できる画期的なサービスであるため、今後の展開に注目していきたいと思う。

 

※WeStockの資料は以下からダウンロードすることができます。