Narvar社の調査によると、消費者のほとんどは商品の返品手続きに満足した場合、再度同じオンラインストアで買い物することがわかった。
オンライン顧客をリピーターにするには、顧客に配慮のある返品ポリシーとその方法が鍵である。
ECマネジメント会社Narvar社が実施した最近の調査によると、対象となるオンライン消費者の95%は、返品プロセスに満足すれば再度同じオンラインショップで購入するだろうと回答したという。また、既に商品を返品したことのある消費者の82%は、その店のリピーターになっているとのこと。
Narvar社は、オンラインストアの返品プロセスが消費者の購入行動にどう影響を与えるかについて、この1年間で1度以上オンラインショッピングにて返品経験のあるアメリカ人700人を対象に調査を行った。
「ほとんどの消費者はオンラインで購入した商品をしばしば返品するが、その返品がスムーズに行われた場合、その店に対して好意的な忠誠心を持ち続ける」とNarvar社最高経営責任者Amit Sharma氏。「競争力を維持したい店舗は、返品プロセスのハードルを下げる方法を見出していくだろう」と言う。
調査に参加したオンライン購入者の49%は、購入前にその店の返品ポリシーを確認すると答え、購入者が最も負担に感じる返品条件には、返品手数料と返送料があげられた。
▲購入の妨げとなる返品ポリシーの要因
また51%の消費者は、返品期間が短すぎる場合に購入を躊躇すると答え、53%は30日の返品期間が妥当だと考えている。(しかし、最近返品したタイミングを尋ねると、およそ75%が7日以内に返品し、48%は2 、3日以内に、26%が1週間以内に返品を行っている。)
調査に回答した消費者のうち43%は返品交換を行っていなかったが、40%は返品後、同じ店で代わりの商品を購入し、17%は、返品後、他の店で代わりの商品を購入していた。
また、購入者の40%はオンラインで一括購入を行っていることがわかった。これはつまり、(送られてきた実物を見て)色々と試した上で自分の好みに合わないものは返品する前提で、自分が気に入る商品を見極めるために同じ種類のアイテムを複数購入するというわけである。
こうした一括購入の対象となりやすいアイテムは、衣料品が48%、続いて靴類が46%、日用品が42%である。
返品手続きでわずらわしく感じる理由を尋ねると、51%の人は商品を梱包し返送する手間、35%は返品手続きにかかる想像以上の時間と答えた。返品手続きで不快な経験をしたことがある消費者は、そうでない消費者と比べて3倍もそれ以降その店での購入を控えているようだ。
また回答者のうち38%は、オンラインで購入した商品を「実店舗」で返品したいと思っている。なぜなら、実店舗では、返品すれば直ちに返金の手続きがなされ、すぐに新たな購入が可能だからだ。
Narvar社はこの調査の一環として、Amazonの返品プロセスにも注目した。その結果、消費者の75%はAmazonの返品手続きに満足していることがわかった。更に91%は再度Amazonで購入したいと回答したという。
Amazonの返品プロセスは、他のほとんどのオンラインショップよりも多くの手続きを要するにも拘わらず、その透明性が顧客に満足を与えている。
▲アマゾン購入者とアマゾン以外の購入者の返品経験の比較
AmazonについてNarvarは、「消費者は、主に梱包や返金状況に関し納得のいく対応に満足するのである」と言及した。
尚、この調査の詳細はNarvar社のウェブサイト「Making Returns a Competitive Advantage.」よりダウンロードできる。
※当記事は「Marketing Land」の6/6公開の記事を翻訳・補足したものです。