Bloombergのレポートによると、インド最大手EC企業のFlipkartは2017年3月17日(金)、10億ドル(約6,652億7,500万クロー)の資金調達を達成した。激しい競争が繰り広げられるインド国内のEC市場にて、シェアを獲得するために使用されるという。

情報源は不明だが、Flipkartは企業価値評価が前回の155億ドルから100億ドル(約66,527.5クロー)に下がったところで、今回の10億ドルの調達に至ったとのこと。

Flipkartが資金を得ることは当然のことであった。調査会社Forrester ResearchのシニアアナリストSatish Meena氏は次のように述べている。

「資金調達環境は世界的に減速しているが、100億ドルの評価は心配することではない」

Flipkartの最新の投資家には、米大手ソフトウェア開発会社Microsoft Corp、米インターネットオークション企業EBay Inc、中国Webサービス会社Tencent Holdingsが含まれる。Flipkartは、同社に対しての「市場予測」に関してはコメントを控えている。

強力なビジネスモデルで収益性を上げ2年間で成長を回復させたSnapdealと、インドの事業規模を拡大するために50億ドルを投資すると言うAmazonに対抗する競争力を持つべく、さらに10億ドルの調達を考えているというFlipkart。

 

<参考>

【インド】Flipkartはebayインドと連携、Amazonやアリババとの対抗色を鮮明に打ち出す

 

Snapdealは日本ソフトバンク社の支援を受け、レイオフや、高収益化のための非中核的事業からの脱却などを行うにあたり、eコマース界のベテランであるKabir Mishra氏を理事に迎えた。インドPTI通信の報告によると「改善計画の一環として、チームの統合、階層の削減、非中核事業の排除などにより、収益性の高い成長に重点を置く“無駄がなく集中的で起業家的”な企業に再編していく」とのこと。

今年の初め、Flipkartを支援する米ヘッジファンドは、Kalyan Krishnamurthy氏をFlipkartの最高経営責任者(CEO)に任命し、すべての部門を傘下に入れた形へ企業を編成。Binny Bansal氏をグループ最高責任者に昇格させた。同社は当時の声明で、「Flipkart Group Organizationはインドにおいて、革命的でありコマースのあり方を変えていく様な、高価値を創造する新しいビジネスの構築に重点を置く」と述べている。

Bloombergによると、低迷する昨今の資金調達環境にもかかわらずFlipkartが資金調達を達成したことは、投資家たちによりFlipkartの商機を期待されていることを示すとのこと。ただし、インドのECサイトPaytmモールを運営するPaytm社の参戦で、Eコマース市場競争の更なる激化が予測される。Flipkartは、資金豊富なライバル企業に対抗すべく、投資家に向けてさらに多くの資金調達に奔走し、サービスの向上を図らなければならないようだ。

Forrester ResearchのMeena氏は「この資金調達によりFlipkartは優位に立つ。今年はAmazonとFlipkart間の直接対決になるだろう。Paytmに関しては、まだ規模を拡大しようとしている段階にある」と話す。

 

 

※当記事はインドメディア「DNA India」の3/20公開の記事を翻訳・補足したものです。