最新の分析によると、ヨーロッパのファッション業界が利用するオムニチャンネル戦略は、ソーシャルメディア、オンライン上の顧客ロイヤリティ、店舗の位置情報機能などが主な目的。一方で、店舗在庫のオンライン注文、顧客による店舗での商品受け取り、即日出荷、店舗在庫の予約などの機能はあまり持たない。

これはポーランドのインターネットマーケティング会社Divanteがドイツ、オランダ、スカンジナビア、イギリスにある40のファッションブランドを分析して導いた結論の一部。2015年にオランダ市場に参入したこのEC代理店は、これらのヨーロッパ諸国のファッションブランドのECにおけるオムニチャネル戦略を分析している。

オムニチャネル戦略においてオランダは最もスコアが高く、次にイギリスが続く。驚く事にドイツが最も低かった。「ドイツは長い間、eコマース戦略の見本として認識されていたのにも拘らず」である。

 

ファッションブランドのソーシャルメディア利用

オムニチャネルの目的として上位を占めるのがソーシャルメディア、顧客ロイヤリティ、そして店舗の位置情報提供だ。Facebookはソーシャルメディアのなかで最も人気の高いチャネルであり、調査対象の40ブランド全てが利用していた。更にほぼ全て(97.5%)のブランドページには、Facebookページへのリンクが貼ってある。続いてInstagramとTwitterも人気のチャネル。Snapchatに関しては、ブランドページにリンクを貼っているのはたった3ブランドであった。

 

オンライン上の顧客ロイヤリティプログラム

ほとんどのブランドはオンライン上の顧客ロイヤリティプログラムを提供しており、オフラインの顧客ロイヤリティプログラムを提供しているブランドも42.5%に上る。「いつでも1クリックで他の何百ものウェブサイトにアクセスできる昨今では、顧客とのつながりを保つ役割を果たす顧客ロイヤリティが必要」と、Divante社は言う。

 

店舗の位置情報とオンラインでの店舗在庫情報提供

実店舗でのショッピングを好む消費者にとって、店舗の位置を知る事は最も重要。85%のファッションブランドのウェブサイトには、地域の店舗位置情報が提供されている。しかし、その店舗に顧客が欲しい商品があるかどうかの在庫を確認できる機能を持つウェブサイトは、たった32.5%にとどまっている。「地域の店舗情報を提供しているのであれば、次のステップとしてその店舗の在庫確認機能を備えるべきだ」とDivante社は提案した。

 

 

※当記事はEUメディア「Eccommerce News Europe」の3/13公開の記事を翻訳・補足したものです。