スペインでは、2016年7月だけで50万人以上の人がオンラインで衣料品を購入しており、その注文額は平均して約57ユーロであった。中でも自国発祥の「ZARA」は圧倒的な人気を誇り、イギリスの「Asos」やドイツのファッションEC「Zalando」はその後に続く。

ドイツのマーケティング調査会社GfKは、スペインの18万人以上のインターネットユーザーの個人資産を分析するために「消費者お財布ツール」を利用。同社によるオンラインファッション業界の分析対象には、ZARAやフランス大手のKiabi、ZARAの姉妹ブランドPull&Bear、ベルギーのC&Aなどのファッションチェーン店のみが選ばれ、大手デパートや大型スーパーマーケットなどが運営するオンラインストアの売上は除外された。これは、「これらのブランドの売上を分析するためには、大手デパートや大型スーパーマーケットを比較対象に入れるとあらゆる要素を考慮する必要があるので、一概に比較分析できない」という理由から。

スペインでは2016年7月中に約52万人がオンラインでファッション関連商品を購入している。注文数は計686,111点で、その総額は3,980万ユーロにのぼる。スペインのオンラインファッションサイト購買者の平均消費額が77ユーロに対し、この月の平均注文額は56.6ユーロとなっている。スペインではオンラインのファッション購買客の大多数(56%)は女性であり、購入額で見ると、さらに高い69%を占めているようだ。

ユニーク購入者(顧客)/売上(単位1,000ユーロ)/平均注文額/平均消費額/消費者平均注文数

 

絶対的リーダー、ZARA

サイトへの訪問者数を示すユニークユーザ数でみると、ZARAはスペインにおいて圧倒的。2016年7月の間にスペインの小売業者は25万3千人の顧客を獲得。2番手のAsosは10万5千人を獲得し、3番手以降にはZalandoやPull&Bearもスペインでの人気オンラインファッションサイトとして名を連ねている。

 

ZARAは購入率でも首位

GfKのデータはZARAがスペインのファッションオンライン業界でコンバージョン率(閲覧者が商品購入に至った割合)も首位であることを示す。ZARAのコンバージョン率は12%に達していて、競合企業のAsos(9%)やMassimo Dutti(9%)よりも高い。ヨーロッパで最大のファッション小売業者であるZalandoはZARAよりも閲覧者が多かったが、コンバージョン率に関しては3%で終わっていた。

 

 

※当記事は欧州向けメディア「Ecommerce News Europe」の11/15公開の記事を翻訳・補足したものです。