ECサイトのアクセス解析・データ分析レポートに盛り込むべき10の視点

 

ECサイトを運営していて、そのアクセスやデータを解析・分析を行う際に、どのデータを確認していけばいいか悩んだことはないだろうか。もしくは、今見ている指標(KPI・KGI)が正しいのか不安に思ったことはないだろうか。

Google Analyticsなどのアクセス解析サービスはあらゆるデータを確認することが出来るが、逆をいえば何のデータを優先的に確認するべきかの示唆は得られない。

色々な指標を確認したくなる気持ちも分かるが、アクションに結びつかない指標を確認すること、ビジネスに示唆に繋がらない指標を確認することは何の意味もない作業となる。そしてそのようなデータレポートを受ける上司もECサイトで起こっていることが把握出来ないに違いない。

今回は、弊社の経験をもとに、ECサイトのアクセス解析・データ分析レポートに盛り込むべき10の視点を紹介していきたい。

 

前編ではまず、1.利益、2.売上高、3.来訪者数、4.コンバージョンレート、5.客単価の5つを紹介していく。これらは主にサイト上のアクセスデータから取得することが出来る。

 

1.利益

 

言うまでもなくECサイト運営において最も重要な指標は利益(もしくは利益率)だ。事業としてECサイトを運営している以上、利益が分からなければ全く意味がないレポートとなってしまうだろう。

利益=売上-支出

利益率=利益/売上

で計算される。すなわち、利益(もしくは利益率)を知るためには、支出と売上を知らないといけないということになる。

一番重要な指標は売上高ではないのか?と思った方もいたのではないだろうか。ECサイト運営においてよくある落とし穴の1つはここにある。

売上を一生懸命あげても、利益が減っていたり、利益率が落ちていたりした場合、全く意味がない。売上をあげるために働いているのではなく、利益を得る為に働いているということを忘れてはならない。

また、逆に一時的な利益を追い求めずに、しっかりと売上を上げていくための基盤となるお客様へのリーチを重視するような戦略をとる場合もあるため、短期的な利益を取るのか、中長期的な利益を取るのかをしっかりと見極めながらサイト運営を行っていきたい。

 

 

2.売上高

 

売上高は最も重要な指標ではないが、最も参考になる代表的な指標であることは間違いない。返品などもあるため、期間内の正確な売上高をレポーティングすることは想像以上に大変な場合もあるが、売上高はショップの調子を図る上で最も重要な指標となる。

売上高は、

売上高=来訪者数×CV率×客単価

で計算される。

すなわち、売上高を上げるためには、来訪者数、CV率、客単価のいずれか(もしくはその中の複数)をアップさせる必要があるということだ。

売上高が上がらない、下がってきた場合は、この3つの指標のうち、どこに問題があるのかをしっかりと確認する必要があるし、それが分からないで闇雲に施策を行うことは意味がない。

Google Analyticsなどのアクセス解析ツールでは、タグの設定をしっかり行うことによって、アクセスではないこれらのデータもGoogle Analytics上で確認することが出来るようになるため、しっかりと設定していきたい。

 

<参考>

■ Google AnalyticsをECサイトに導入・設定する5ステップ

 

 

3.来訪者数

 

一般的には、集客やアクセス数などと呼ばれることもある来訪者数。一定期間にサイトを訪れた人の数のこと。

似た指標で、ページビュー数(PV数)、平均PV数などもあり、3つの指標の関連性を式に表すと、

平均PV数=PV数/来訪者数

となる。

PV数もサイトのパワーを示す上で重要な指標で語られることが多く、平均PV数もどれだけ興味を持って多くのページを見てもらったかを示すので重要な指標だといえる。

しかし、この3つの指標を重要な順番に並べるならば、「来訪者数>平均PV数>PV数」と迷わずに並べる。

PV数は様々な要因が絡み合っていて、その数値だけからではアクションは非常にとりにくい。また、平均PV数が落ちているときはサイトの回遊性が下がっているといえるが、ある商品が非常に好評でそのページに直接ランディングして購入して帰ったユーザーが増えればこの数値は下がっていくことになるため、この指標もいくつかの要因が関連しあうものとなっている。

しかし、来訪者数だけは、純然たるサイトを訪問した人の数であり、その数が多ければ、ショップや商品を目にした人の数が多いことになり、購入の可能性はその人の数だけあるといえるため重要な指標となる。

PV数をモニタリングしているだけでは、改善のアクションには全く繋がらない。

 

 

4.コンバージョンレート(CV率)

 

コンバージョンレートはサイトを訪れた人のうち、どれだけの人が購入に至ったかをあらわす割合。CV率、場合によってはコンバージョン、といわれる場合もある重要な指標だ。ECサイトを運営していて、そのサイトのコンバージョンレートを即答出来ないようでは、自社のサイトのことが何も分かっていないといわれても仕方がないだろう。

コンバージョンレートは、

コンバージョンレート=購入者数/来訪者数

であらわされる。

多くのアクセス解析サービスでは、「購入者数」というデータはなく「売上件数」という形で表されているので、通常はこれを用いる。厳密には意味は多少異なるが、ほぼ同義と考えていいだろう。
コンバージョンレートは、商品数や商品単価、商品特性などによっても異なるため、一般的にこの値がベストだというものは言いにくい。(弊社のEC向けアクセス解析サービス「Shopnote」では、そこを自動計算して問題がある場合は課題として判定して提示している。)
お客様が購入に辿り着くまでに離脱しないようにすればコンバージョンレートは上向くため、購入に辿り着くまでのどこに問題があるかを確認するために、直帰率、ページ別離脱率、さらには滞在時間などからもヒントを探す場合もある。

 

<参考>

■ 「コンバージョン」とは? 今さら聞けないコマース基本用語

 

 

5.客単価

 

客単価は、購入したお客様一人あたりが購入した合計金額のある一定期間内の平均値。お客様が買い物をする際に、どれだけ多くの商品をついで買いしてくれたのかを端的に示す指標といえる。

客単価は、

客単価=売上高/売上件数

であらわされる。

もちろん、単価の高い商品を取り扱っているショップの客単価は高くなるし、5,000円以上送料無料などの下限を設定しているショップの客単価はその値近辺に落ち着くことが多くなる。

送料無料の施策、買い合わせをうまくおすすめするサイト構成、まとめ買い割引などを用意することで客単価は改善するため、その施策の効果はじっくりと確認していきたい。

 

<参考>

■ 「客単価」とは? 今さら聞けないコマース基本用語

 

 

前編まとめ

 

前編では主にサイト上のアクセスデータの確認方法について触れてきた。

豊富な機能を実装したアクセス解析ツールを前にすると、一体どのデータを見ていけばいいのかと面食らうときも多いだろう。そういうときは、データを何でもかんでも見るのではなく、上記に挙げた項目に絞り込み、しっかりと改善アクション繋げていくことが重要である。

言い替えれば、アクセスデータで最も重視すべきは、売上高、来訪者数、CV率、客単価であり、それ以外の指標はこれら4つの視点の原因などを探るための補完的な位置付けとなるといえるだろう。

後編では、ここで紹介した視点のセグメンテーションや比較の切り口、さらには支出についての考え方を紹介し、ここで見てきたデータにどのように味付けをしていくべきかを説明していきたい。

 

 

<参考>

■ 【保存版】 ECサイトのアクセス解析・データ分析レポートに盛り込むべき10の視点 (後編)

 

 

 

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