英国オンラインファッション小売業大手Asosは、売上高成長率の「大幅な悪化」を受け、業績を下方修正した。予定外の今回の発表後、株式市場の取引では同社の株価は約40%下落している。
Asosはこの憂慮すべき数字の悪化の理由の一つとして、他社との過度な値下げ競争やプロモーション活動を挙げている。これにより利益マージンを犠牲にした独自のスペシャルオファーが増加した。また、ここ3カ月の気温が温暖だったため、売上が伸びなかったことも要因であるとしている。
「今年度の見通しを下方修正」
Asosは「売上高は14%と堅調な伸びを達成したが、ビジネス上重要である11月の大幅な業績の悪化により、厳しい状況が続いている」と業績報告書(pdf)に記載。「結果として、今事業年度の業績見通しを下方修正した」とのこと。
「11月は売上とキャッシュフローマージンのどちらの面でも重要な月であるが、予想を大きく下回ってしまった。当社の主要市場の多くは、経済状況が不安定である。加えて、消費者の景気信頼感の低下が加わり、オンライン衣料品販売が近年で最も鈍化している」と続けた。
Asosは、同社の欧州売上高の60%を占めるドイツとフランスでの取引状況について「両国で、今会計年度現在まで15%アップというこれまで以上に厳しい状況になっている」とも説明している。
「11月は小売業者が崩壊する可能性も」
2018年12月13日、英国のスポーツ用品小売業Sports DirectのCEO、Mike Ashley氏は、「Brexit(英国のEU離脱)を不安に思う一部の買い物客が11月~12月の買い物を控えるせいで小売大手は「崩壊」に直面している」と警告した。「11月は信じられないくらいの最低記録だった」と述べた。そして「どの小売事業者も、そのような予算立てはしていなかったと思う。小売業者はこのような11月の低迷に耐えられず、文字通り崩壊するかもしれない」と語っている。
※当記事は欧州メディア「Ecommerce News」の12/17公開の記事を翻訳・補足したものです。