英国のEU離脱により英国内のeコマース企業は深刻な事態に直面している。昨年の英国のEU離脱“ブレグジット”の国民投票以来、オンライン小売業者の中には、倉庫で働く人材を確保するのに難儀しているところもある。

英国のオンライン衣料品店Everything5Pounds(5ポンドショップ)もブレグジットのあおりを受けたオンライン小売業者の1つだ。このインターネット専業企業の最高執行責任者であるRobert Kulawik氏が、米ビジネスニュースサイトBusiness Insider伝えたところによると、エセックス州にある倉庫で働く従業員を確保するのに大変苦労しているとのこと。

 

ブレグジットの先行き不透明さがヨーロッパ移民の足を遠のかせる

「EU労働者を確保できるものなら、今すぐ100人は雇用したいのであるが」とRobert Kulawik氏。「ここでは十分な労働力がないのである。EU離脱が承認されたことで、多くのヨーロッパ移民たちは不安を感じ、英国に来ることを躊躇しているのだ」

この創業7年の小売企業は、自社の在庫全てエセックスに保管。そこでは現在のところ完全にイギリス人のみを雇用している状況だ。「人材確保がいかに困難であるかということを実感している」

別の英国の小売り企業Morley’s百貨店は、Everything5Poundsほど厳しい状況では無いものの「以前と比較して求人の欠員状態が長く続いている」と業務執行取締役David Hordle氏は言う。

先日、英オンライン新聞The Independentでも、「ブレグジットの影響で、英国の雇用主にとって従業員雇用はこれまで以上に厳しい状況となっている」と報じられた。ある調査によると2017年7月の有効な労働者数はここ1年半の間で最も落ち込んだとのこと。

 

雇用主のために人材雇用の改善を

「英国の雇用主にとって、EUとの関係の重要性を無視することはできない」と、英国人材雇用連合Recruitment & Employment Confederationの最高責任者Kevin Green氏は言う。

「もし雇用状況を活気づけ良好にしたいなら、雇用主が必要とする人材に容易にアクセスできるよう改善していかなければならない」

 

※当記事は欧州メディア「Ecommerce News Europe」の9/6記事を翻訳・補足したものです。