ECサイト構築・開業から成功までを総合サポートする株式会社Eストアーは、2024年8月5日から16日にかけて、Eストアーショップサーブを利用中のEC事業者に「商品の値上げ」についてのアンケートを実施した。

 

 

調査結果

 

値上げをした事業者の56%が、値上げした商品の販売個数について「影響はない。(値上げ前と変わらない)」と回答していた。しかしその一方で、42%の人は、値上げした商品の販売個数が値上げ前より減少したと回答しており、そのうちの46%の事業者は「他の商品をおすすめすることで⼀人当たりの単価向上を図る」、「他の商品もおすすめし、一人当たりの単価向上策をとった」など、減少分を補う何らかの取り組みを実施していた。また、「その他」で寄せられた回答には、「ポイントの設定の変更」や「クーポンの発行」などにより単価向上以外の販売減少を補う取り組みを実施するなど、工夫していることが分かった。

 

 

2023年以降に値上げを実施していない事業者に対し理由を尋ねると、「値上げをすると売れなくなると思うから」が最も多く約28%、また、4位には「値上げをすると、お客様から反発があると思うから」が12%となっており、値上げ後の消費者の反応を想像して値上げに踏み切れない様子もうかがえた。また、2023年以降に値上げを行っていない事業者のうち9%の事業者は、2022年以前にすでに値上げを実施していた。

 

 

今後の値上げについて2023年以降に商品の値上げを実施している事業者、値上げを実施していない事業者双方に、今後の値上げについて尋ねたところ、商品の値上げを実施した事業者のうち85%が「今後も必要に応じて値上げする」と回答していた。一方、商品の値上げを行わなかった事業者も38%が「今後商品の値上げを行う可能性は、大いにある」と回答した。この結果からすでに値上げを実施した事業者は、今後も必要に応じて値上げを行うことに積極的だが、値上げを行わなかった事業者においては、今後の値上げについても慎重な様子が明らかとなった。

さらに、値上げを行わなかった事業者が、今後値上げを行う場合は「仕入れ価格や原材料費の上昇の影響が出た場合」と67%が回答しており、値上げ実施に踏み切る理由となるものは、すでに値上げを実施している事業者と同様だった。

 

 

まとめ

 

仕入れ価格や運営コストの上昇など、事業環境は厳しくなっていると思われるが、消費者の反発や販売個数への影響を考えると値上げに踏み切れない事業者が一定数いるということが分かった。現在も様々な領域でコスト増が進んでおり、商品の価格見直しを検討せざるを得ない機会は増える可能性があるため、必要な値上げを必要な時にスムーズに実施できるよう、値上げした商品の販売個数の減少や既存顧客の反応などについて事前に想定し、対応を検討しておくことが必要なのではないだろうか。