インフレ率は高くて、失業率は低い。したがって、ホリデーショッピング・シーズンにおける消費者の動向は、誰にもわからない。

 

11月23日に発表されたAdobe Analyticsのによると、オンラインショッピング利用者は11月の最初の3週間で645億9,000万ドルを費やしており、これは前年同期比の0.1%増であるという。その間、20億ドル以上の売り上げを記録した日は9日間あった。

 

明るい兆し

Adobeによれば、消費者支出が急増した2021年のパンデミック時のレベルからそれが低下していないという事実は、消費者のホリデーショッピング・シーズンに向けた、消費意欲の高まりを示しているという。レポートには「Adobe Analyticsによると、eコマースはこれまでのところ回復力を維持しており、シーズンの好調なスタートを切っている」と示されている。

 

総売上高は増加の見込み

同社は、今年の11月と12月のオンライン総売上高が、2,097億ドルにのぼると予想。これは、売上高が8.6%増加した2021年からは2.5%増加しており、32.2%増加した2020年からははるかに下回っている。

 

サイバーウィーク

サイバーウィーク(感謝祭からサイバーマンデーまでの5日間) のオンライン支出は、昨年から2.8%増加し、348億ドルになると予想されている。これは、11月-12月の支出額の16.3%にあたる。

 

サイバーマンデー

私たち全員が仕事に戻るこの日(2022年は11月28日)は、112億ドルの売り上げを記録し、今年最大のオンラインショッピングの日になると予想されている。この調子でいけば、昨年比5.1%増加することになる。2021年の消費者のサイバーマンデーのおける消費者の支出は107億ドルで、2020年から1.4%減少した。同年のサイバーウィークの総支出も、1.4%減の339億ドルとなった。

 

ブラックフライデーの重要性は低い

ホリデーショッピングやセールが2か月間にわたり行われるようになったため、ブラックフライデー(2022年は11月25日)はオンラインショッピングの利用客にとってそれほど重要なものではなくなった。ブラックフライデーのオンライン売上高は昨年から1%増加して90億ドルになると予想されているが、感謝祭の日(2022年は11月24日)は1%減の51 億ドルになると予想されている。

 

同社は、1億のSKU(在庫管理や受発注の際の最小管理単位)と18の製品カテゴリをカバーする米国の小売サイトへの1兆回以上の訪問に基づいて分析を行っている。Adobeは、シーズン中、「Holiday Shopping Trends and Insights」のレポートを更新していく予定だという。

 

気にかける理由

私たちの経済は、消費者の需要が増え続けるという信念に基づいている。ホリデーシーズンは、その需要が最も高く、小売業者の年間総売上高の30%を占める時期だ。インフレ率が高いことで人々の支出は減るはずである。しかし、失業率が低いということは、テック企業のレイオフがあっとしても、消費者の消費意欲は高まる可能性がある。すべてを集計してみるまで、今後どのような展開になるかは本当に未知数だということだ。

 

※当記事は米国メディア「MarTech」の11/23公開の記事を翻訳・補足したものです。