eコマースサイトが最適に思えるかもしれないが、コンテンツサイトの構築を検討すべき5つの理由を紹介しよう。

 

コマース市場規模が2020年に86億ドルを超えたことを考えると、いかなるビジネスモデルであれ、何かを販売するためのウェブサイトの開発に注力すべきだと考えるのは当然のことだろう。結局のところ、商品の販売からすぐに得られる収入以上のものはないのだ。

 

コンテンツマーケティングのスキルを磨き、オーディエンスとつながり、そしてビジネスに必要な資金のために持続可能なキャッシュフローを生み出すことができる定常的な収入を着実に増やしてはいかがだろうか。

 

コンテンツサイトとは

コンテンツサイトとは、特定のトピックに高い関心がある選ばれたオーディエンスに、その関心をさらに高める有用なコンテンツを提供することによって、直接働きかけるものである。

 

それは、インターネットの素晴らしいところの一つである。あたなが好きなものは、絶対にどこかにあなたと同じくらいにそれが好きな人がいる。コーヒーでもキャストアイアン(鋳鉄)調理器具でも、あなたの情熱につながり、もっと知りたいと思っているオーディエンスがいるのだ。

 

しかし、eコマースサイトでは、その共通の情熱を利用して、シーズニング(油をなじませてサビや焦げ付きを防ぐ手入れ)済の鍋を購入させたり、特製ブレンドの毎月の定期便を申し込ませたりしようとする一方で、コンテンツサイトは、広告やアフィリエイトマーケティング、デジタル製品の販売を通じて、アクセスだけで現金を生み出す。

 

例えば、あるコンテンツサイトでは、アウトドアスポーツ用品について、ユーザーテストに基づく公平なレビューを提供している。探している商品を見つけたサイト訪問者は、リンクをクリックし、メーカーのウェブサイトに移動して購入することができる。見返りとして、サイト運営者は販売価格の何パーセントかを「手数料」として受け取る。まさにこのモデルで運営されているあるサイトでは、2021年に約700万ドルの利益を上げている。

 

他のコンテンツサイトは、Googleアドセンス(Googleが提供するコンテンツ連動型広告配信サービス)などのプログラムを使って収益を上げている。あるアーリーアダプター(新しいサービスや商品を比較的早い段階で購入・利用する人)は、アドセンスだけを使って1か月で13万2千ドルを稼いだことで名を馳せ、その後、複数のデジタルマーケティングツールを開発し、成功している。彼は、どのようにして成し遂げたのだろうか。彼は、着信音をカスタムするための無料の人気ツールを作成し、アドセンスを追加したという。

 

この2つのサクセスストーリーに共通することに注目してほしい。それは、非常に明確なニーズに対応した質の高いコンテンツを提供しているということだ。

 

他の共通点は何だろうか。どちらのサイトも、トラフィックを増やすために有料広告に頼っていない。いずれも、キーワード検索に膨大な時間とエネルギーをかけ、Googleで検索しているすべての人にとって、検索結果で自社サイトが最初に表示されるようにしているのだ。

 

なぜコンテンツサイトを構築する必要があるのか

受動的収入 SEO戦略が完成すれば、サイトトラフィックを収益化して、最小限のエンゲージメントだけで、安定した収入をあげることができるようになる。コンテンツサイトは、投資家に売り込む時間と労力を省き、ローンを組むリスクを解消する安定した内部資金源となる。

 

一方、eコマースサイトは、より集中的な投資が必要だ。在庫管理、カスタマーケア、マーケティングなど、eコマースサイトは軌道に乗せるだけでもかなりの資金と人的リソースが必要であり、成功が保証されているわけではない。

 

適応性のある収入源 訪問者を顧客に変えることからのみ収益を上げるeコマースサイトとは異なり、コンテンツサイトには複数の潜在的な収益源がある。売れ残った商品の処分やブランドの評判を損なうことを心配することなく、訪問者の行動分析から分かったことに応じて、一つのことに焦点を絞ったり、ピボットしたりしよう。

 

あなたが有用な記事やビデオのライブラリを構築することに集中している間、コンテンツサイトは、ディスプレイ広告で少額のお金を稼ぎ始めるかもしれない。サイトのトラフィックが増加してきたら、Amazonアソシエイト・マーケティングを取り入れ、訪問者を有用な商品に誘導することもできる。また、人気のあるベンダーのレビューにアフィリエイトリンクを貼ることもできる。

 

低い経費 ある分析によると、中小規模のeコマースサイトのセットアップ費用だけでも1,500ドル以上かかるという。そして、これには、売上を上げ、支払いを回収し、顧客と連絡を取るために必要な支払い処理、カスタマーサービス、ソーシャルメディアマーケティングなどの費用は含まれていない。

 

一方、コンテンツサイトでは、20ドルのドメイン名、一連の静的ページ、そしていくつかの優れたコンテンツだけがあればよい。フリーランサーの相場はさまざまだが、一般的に、質の高いライターやデザイナーを競争力のある価格で雇うことができ、特にリテーナー契約を締結している場合やブログ記事をまとめて購入する場合は、これがあてはまる。

 

持続可能性 コンテンツサイトはトラフィックを増やすためにSEOに依存しているため、優れた戦略は、サイト自体で積極的にエンゲージメントを行っていない(あるいは投資していない)場合でも、オーディエンスの構築と収益の発生が継続されることを本質的に保証するものである。Googleやその他の検索エンジンは、定期的にアルゴリズムを調整しているが、特定のニッチなキーワードは、数か月、場合によっては数年間、あまり変わらない可能性がある。

 

一方、商品中心のeコマースサイトでは、トラフィックを増やすために有料広告に頼ることがよくある。この場合、購入に関する誤った判断が行われるリスクに加え、広告の期限が切れると同時に獲得したトラフィックも枯渇し、「お金をかけてお金を稼ぐ」という無限のサイクルに陥ってしまう。

 

拡張性 コンテンツウェブサイトに全力投球すると決めたら、それは短期間での拡張が最も簡単なビジネスモデルの一つであることが分かるだろう。キーワード戦略を練り、コンテンツチームを雇うという最初の開発段階を乗り越えれば、サイトの大部分は何もせずとも機能し、あなたは次の事業に時間とリソースをかけることができるようになるのだ。

 

7年前、私はデイトレードへの関心とデジタルマーケティングの経験を組み合わせ、オンライン証券会社や取引プラットフォームにおいて、オーストラリアで最も人気のある情報源となるサイトを作った。その2年後、私は日々のマネージメントから身を引き、自分の興味のあるテーマで記事を書くことに専念し、さらに2つのコンテンツサイトを共同設立することができた。

これとは対照的に、eコマースサイトの規模を拡大するには、商品ラインアップやオーディエンス、物流範囲の拡大のための多大な投資が、不可避的に必要になるのだ。

 

※当記事は米国メディア「Entrepreneur」の7/26公開の記事を翻訳・補足したものです。