アライドアーキテクツ株式会社が提供する運用型UGCソリューション「Letro(レトロ)」は、市場変化に伴うEC事業者の顧客獲得施策の変化を把握するため、インターネットリサーチを実施したところ、EC事業に携わる企業のマーケティング部門の責任者101名が回答した。

 

 

調査を行った背景

 

現在、アフィリエイトやcookieの規制、薬機法や特商法の改定、各媒体のCPM高騰など、EC市場を取り巻く環境が大きく変化しており、EC事業者の顧客獲得施策にも日々進化が求められている。こうした変化を機敏に察知し、対策を講じる企業は多いが、具体的な施策の実施や検討にまで至っていないという声も聞かれる。そこで今回は、EC事業者が昨今の市場変化をどのように捉えて対策を講じているのかを把握することで、企業にとってより良いマーケティング支援のポイントを探るべく「EC事業のマーケティングの実態調査」を実施するに至った。

 

 

「EC事業のマーケティングの実態調査」の調査結果

 

「EC事業に影響を与え、課題に感じている市場変化」について聞いたところ、「特商法の改定」が42.6%、続いて「個人情報保護法」が41.6%、「景品表示法の改定」が37.6%と続くことからECを巡る法規制への対応に課題を感じている企業が多いことがわかる。また、市場に新規参入する企業や競合企業の増加から、「CPMの高騰」35.6%を課題に感じている企業も多くいることが明らかとなった。

 

 

「市場変化により起きているネガティブな影響」については、43.6%が「デジタル人材の不足」と回答したことから、EC市場の変化への迅速な対応が求められる中で課題となっているDX化を推進できるデジタル人材の不足を課題に感じている企業が多かったとみられる。続いて、「顧客満足度の低下」36.6%、「CVRの低下」32.7%が多い結果となり、「CVRの低下」については、法規制強化に伴って従来の広告表現が不可になり、競合他社の増加でCVRが低下していることが推測できる。

 

 

 

「市場変化をうけて、マーケティング施策をアップデート・変化させているか」について聞いたところ、約85%の企業が「実施している」と回答した。さらに、「積極的に実施している」もしくは、「実施している」と回答した企業に対し、「アップデート・変化させている施策」について聞いたところ、「インフルエンサーの活用」が50.6%、「新たなSNS媒体の開設」が42.4%、「静止画から動画への移行」が41.2%という結果になった。また、「UGCの活用」や「チャットbotの導入」、「CRMの強化」などリーチ後の施策に比べ、リーチ施策に優先度高く投資している企業が多いことも明らかとなった。さらに、リーチ後の施策は優先度が下がる傾向にあるが、その中でも「UGCの活用」29.4%が優先的に取り組まれていることがわかった。

 

 

アップデート・変化させている施策を「UGCの活用」と回答した企業に対し、「UGCの活用によって施策成果が向上したか」と調査したところ、96%が「向上した」と回答した。さらに、「非常にそう思う」、「ややそう思う」と回答した企業に対して「具体的にどのような成果が向上したか」について聞いたところ、62.5%が「売上高の向上」、「LTVの向上」と回答したことから、UGC施策は「売上」やサブスクビジネスで重要視される「継続率」を向上させる施策として評価されていることが分かった。また、「CVRの向上」54.2%が続いていることから、CPMの高騰から獲得効率の改善が急務となる中でUGCの活用に効果を感じた企業が多かった。これらの回答から、UGCは新規顧客の獲得から既存顧客の維持・継続まで複数のフェーズで活用されている。

 

 

 

まとめ

 

EC市場が右肩上がりの成長を続ける中で、生活者を保護するための法規制強化や競争激化に伴い、EC事業者は様々な対策を講じていた。また、広告の大量投下による新規の顧客獲得が難しくなる中、「インフルエンサーの活用」や「新たなSNS媒体の開設」などのリーチ施策への投資を優先的に行うことで、新たな顧客獲得を図る企業が多い傾向にある。一方、リーチ後の施策としてもっとも活用が進んでいた「UGCの活用」については、「売上」「継続率」を向上させる施策として評価されていることから、新規顧客の獲得から既存顧客の維持・継続まで複数のフェーズで活用されていることが分かった。