欧州で最も人気のあるeコマースサイトの大多数(94%)のチェックアウトページにおいて、5つ以上のエラーが発生しているという。欧州の消費者の21%は、決済手続きに1分以上かかると購入を断念する。

また、欧州の消費者の15%は、希望する決済方法が利用できない場合、オンラインショッピングカートを離脱。つまり、欧州のeコマース企業には、大手企業であっても、改善すべきことが多く残っていることを意味している。

 

2021年の欧州のチェックアウトの現状

コンサルタント企業のEdgar,Dunn&Companyは、英国、ドイツ、フランス、スペイン、スウェーデン、イタリア、ポーランド、オランダにおいて、800の主要なeコマースサイトを分析した。また、200の大手サブスクリプションサービスのチェックアウトページを分析し、欧州全体で800人の消費者を対象に調査を行った。これらの結果は、The State of European Checkouts 2021(PDF)にまとめられている。

 

「欧州で最も人気のあるeコマースサイトの94%が複数のエラーを抱えている」という事実は、昨年は58%(上位450のWebサイトのうち)であったことと比較すると、非常に衝撃的な数字だ。

 

昨年は、複数エラーが発生したeコマースサイトは58%

 

これらすべてのエラーは、消費者に不必要なフリクションをもたらした。そして、消費者のおよそ40%が、過去1年間のオンラインショッピングの回数が2倍(以上)に増えたと回答している。これは当然、ビジネスにとっては素晴らしいことだが、同時に、企業がこの可能性をうまく活用しなければならないことも意味している。「しかし、欧州の大手eコマース企業の中には、売り上げを上げるための1つの重要なステップである、“チェックアウトフロー”を見落としがちであることが明らかになった」と決済プラットフォームを提供するStripe社は記している。

 

チェックアウトページでの共通の問題

この調査では、よくある問題点として、カード情報のフォーマットとエラー処理の不備、一般的な決済方法を提供していないこと、顧客が次回以降の購入に利用するために決済情報を保存できないことなどが挙げられる。「これらの問題の一つひとつは些細なことのように見えるかもしれない。しかし、こうした問題が重なることで、顧客にとって必要のない、困難なチェックアウトエクスペリエンスが発生し、売り上げの損失につながる」。

 

買い物客の21%は、時間がかかりすぎると購入をキャンセルする。

 

欧州のオンライン買い物客の5人に1人(21%)は、チェックアウトに1分以上かかると購入を断念すると回答。しかし、44%は、購入を完了するまでに平均して3分以上かかると答えている。また、17%は、過去1年間において、長く複雑なチェックアウトが理由で注文をキャンセルしたという。

 

カートの平均放棄率は68.8%

ECサイトの調査を行うBaymard Institute によると、世界的にみて、現在の平均カート放棄率は68.8%だという。つまりこれは、チェックアウトページの基本的なエラーを改善し、購入プロセスで考えられるすべてのハードルを取り除くことで、売り上げを大幅に増やすことができることを意味している。

 

最も一般的なチェックアウトフォームエラー

Stripe社によって検出された上位4つのチェックアウトフォームエラーは以下のとおり:

 

  • 決済情報のフォーマットやエラーメッセージ表示のエラー(分析した42%の企業では、これらのエラーが少なくとも3つ以上発生)
  • アドレスオートコンプリートをサポートしていない(61%)、またはアドレスオートコンプリートもネイティブオートフィルもサポートしていない(9%)
  • 顧客が請求先住所を配送先住所として使用できるようにデフォルト設定していない(10%)
  • 顧客が決済情報を保存して将来の購入時に使用することができない(75%)

 

 

 

※当記事は欧州メディア「Ecommerce News」の8/27公開の記事を翻訳・補足したものです。