ヨーロッパの消費者の4人に3人(74%)は、「コロナ禍でのオンラインショッピングのレベルを下げるつもりはない」と言っている。つまりオフラインで再び買い物ができるようになっても、eコマースのアクティビティを減らすつもりはないということだ。したがってeコマースへの移行は今後も続くと考えられる。

 

昨年のロックダウンの間、ヨーロッパの消費者の96%がオンラインショッピングを利用した。これは前年度の60%から増加しており、今後もオンラインショッピングへの移行が続くとみられる。というのも、今や実店舗でのショッピングが再び可能となったが、消費者の74%は「オンラインショッピングを大幅に減らすつもりはない」と述べているからだ。

 

クロスボーダーの支払い急増に対する準備不足

ロンドンに本拠地を持つフィンテック企業Checkout.comが、1万人以上の消費者及び500のオンライン小売業者対象に行ったレポート「the New State of Retail」によると、重要な調査結果の1つとして挙げられるのは、43%の小売業者は、ヨーロッパ圏内で昨年急増したクロスボーダーの支払いに対し十分な準備ができていなかったということだ。彼らはヨーロッパ圏内の新マーケットから需要を取り込むために必要な支払い方法を確立しておらず、そのため収益を失う結果となった。

 

「消費者の80%は後払い決済サービス『BNPL(Buy Now Pay Later)』や暗号通貨などの新しい支払い方法を使おうと考えている」

 

新しい支払い方法に対する高い需要

消費者の80%は後払い決済サービス「Buy Now Pay Later」や、暗号通貨またデジタルウォレットなどの新しい支払い方法を利用しようと考えている。そして30%は、昨年のデジタル決済の経験をもとに新しい支払い方法を積極的に試したいと考えている。また8人に1人が新しいデジタル決済方法を初めて使用した。

 

ローカリゼーションパフォーマンスの問題点

レポートではオンライン小売業者の機会にも注目している。Checkout.comによると、ローカライズされた支払いは、最適化された収益につながるはずだが、ローカリゼーションパフォーマンスにおいてまだいくつかの問題点があるとのことだ。たとえば、オンライン小売業者の74%は、すべての支払いページを現地の言葉で提供しているわけではなく、また3分の2の小売業者は、サービスを提供しているすべての国で現地の支払い方法を導入しているわけではない。

 

またeコマース小売業者の83%は、事業展開している全ての主要マーケットで地元のアクワイアラ(加盟店の開拓や審査、管理をする機関)と直接アクセスすることが不可能だ。「これは支持率に悪影響を及ぼす可能性がある」と著者らは示唆している。

 

 

※当記事は欧州のニュースサイト「Ecommerce News Europe」の6/15公開の記事を翻訳・補足したものです。