2017年現在、デジタルコマース(eコマースより若干広義の意味となり、オンラインでの決済取引全般を指す)利用者は世界人口の32%以上と見られるが、2021年までに世界人口の40%にあたる30億人に達する見込みだ。
イギリスのハンプシャーを拠点とするデジタル専門の調査会社Juniper Researchの予測によると、今後数年間でデジタルコマース業界はデジタル商品や実物商品の遠隔操作での決済と、オンライン決済サービスを用いるデジタルバンキングとによって支配される見込みだという。この二つの分野は、2021年までに全世界の決済の半分以上に及ぶと予測されている。
さらに、多数の企業が契約や売上促進のため自動化された顧客経験を取り入れており、2021年までにはチャットボット(デバイス上のチャット形式で顧客とメッセージをやり取りする機能)がデジタルコマース市場で重要な役割を果たすということも予測されている。
<参考>
チャットボットはECの未来にどのように影響を及ぼしていくのか - AIの進化と人間の暖かみの狭間で
前述のリサーチ筆者であるLauren Foye氏は、「Juniper社は小売業者にとって、チャットボットと自然言語検索が消費者行動への大幅な理解向上につながることを発見した。我々はこの分野の成長を目の当たりにしている。例えばFacebookやGoogleによる投資や、Amazonなどの企業によるデジタルアシスタントの発売などだ」と言う。
Juniper社のリサーチはさらに、2021年までに成人のほぼ二人に一人がデジタルバンキングを利用すると言及。今後消費者はマルチチャネル(電話、メール、Webなど複数の接触手段)のデジタルサービスを持つ銀行に偏っていくと共に、その利用率は上昇し続けるだろう。つまり「プロバイダーは今まで以上にスムーズなデジタル体験を顧客に提供することに集中していくことが必要」というわけである。
※この記事は「Mobile Marketing Magazine」の5/23公開の記事を翻訳・補足したものです。