NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は、アパレルECサイト業界を対象に、顧客ロイヤルティを測る指標であるNPSのベンチマーク調査を実施した。その一部を紹介する。

 

Amazon Fashion 、MAGASEEK、Rakuten Fashion、SHOPLIST.com by CROOZ、ZOZOTOWN、マルイウェブチャンネルを対象として調査した。NPSのベンチマーク調査を通じて、対象のアパレルECサイトの利用者が、友人や同僚、家族にそのサービスを「どのくらいおススメしたいか」が分かる。

 

アパレルECサイト6社のNPSトップはZOZOTOWN(-13.3ポイント)となり、最下位の企業との差は15.5ポイントとなった。アパレルECサイト6社のNPS平均は、-21.7ポイントとなった。

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20の要因別に満足度と重要度を分析したところ、重要度が高いにもかかわらず満足度が伸びなかった(重要度と満足度のギャップが最も大きかった)項目は、「送料の適切さ」、次いで「サイズ表記や身長別の着丈など詳細な商品情報が掲載されている」、「支払の安全性」となった。「送料の適切さ」は、全体の値ごろ感やセール・クーポンといったその他の価格関連項目よりも、重要度と満足度のギャップが大きく、改善が期待される項目となった。

ZOZOTOWNは、上記のギャップ項目での一定の評価に加え、「ウェブサイトのわかりやすさ」や「アプリのわかりやすさ・つかいやすさ」といったユーザビリティにおいても、高い評価を得ていた。

 

「アパレルECサイト公式アプリ」の利用有無について調査したところ、46.2%のユーザーが公式アプリを利用している結果となった。

また、公式アプリの利用有無別にNPSを分析したところ、公式アプリ利用者のNPS平均は-10.7ポイントと、非利用者の-31.1ポイントと比較し、20ポイント以上高い結果となった。

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公式アプリの利用有無別に、要因別満足度を分析したところ、公式アプリの利用者は、非利用者に比べ、全ての項目において満足度が高い結果となった。特に、「ポイントが貯まりやすい・使いやすい」、「クーポン等の特別価格の提供」といった価格面と、「レコメンデーションの適切さ」や「利用者によるレビューや口コミの充実度」といった項目において、その差が大きく、公式アプリの利用により、サイトの提供するサービスを上手く活用し、体験全般の満足度が高くなっていることがわかる。

 

アパレルECサイトを1年以上利用しているユーザーを対象に、新型コロナウイルス感染拡大前と比較し、アパレルECサイトを薦めたいという思いに変化があったかを調査したところ、「以前よりも薦めたいと思う」と回答したユーザーは、全体の30.6%となった。

また、「以前より薦めたい」と回答したユーザーに対し、その理由を自由記述で調査したところ、主な理由として、「リアル店舗は密になりつつあるので、感染拡大防止を含めて薦めたい」といった感染対策についてのコメントに加え、「こんなときだからこそ、サイトを見ているだけでも気分が晴れる」など、気晴らしや楽しみとしてオンラインショッピングを薦めたい、といった意見が多く見られた。

新型コロナウイルスの影響を受け、感染対策としてネットでの購買へのシフトが見られる中、ファッションアイテムを購入するというECサイトの機能面だけではなく、ショッピングの楽しみという体験も含め、アパレルECサイトが評価される結果となった。

 

対象のアパレルECサイトにおいて、過去1年間の購入金額を調査したところ、推奨度が高いほど、年間購入金額も高い傾向が見られた。「批判者」(推奨度「0」~「6」を選択した人)の年間の平均購入額を「1」とした場合、「中立者」 (推奨度「7」~「8」を選択した人)は「批判者」の1.3倍、「推奨者」は「批判者」の3.1倍の購入金額となった。

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今回の調査で、ネットでの購買へのシフトが見られる中、ファッションアイテムを購入するというECサイトの機能面に加え、顧客体験も含め、アパレルECサイトが評価されていることがわかった。