ECの商品登録業務の変遷とこれから ー テクノロジーは永遠のルーティンワークから私たちを解放してくれるのか

 

今や、オンラインショッピングは人々の生活に欠かせなくなるほど浸透し、オンライン上には国内だけでも270万を超える店舗が開設されており、掲載されている商品数はその数百倍以上にのぼる。しかし、オンライン上に掲載されている商品情報は、登録・公開するために非常に多くの労力がかかっていることは忘れられがちだ。そこで今回は、オンライン上に公開するために行われてきた商品登録業務が、どのような苦労と共に行われてきて、今後どのように改善されていくのかを考えていく。

 

※この記事は、AIによる商品登録業務を効率化するサービス「macnica.ai」を展開するマクニカネットワークス社から情報提供を得て作成した記事である。商品登録業務をより効率化するためのヒントに関する資料は以下からダウンロード下さい。

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商品登録の前に行うべき「ささげ」業務とは

 

「ささげ」とは、「採寸」「撮影」「原稿」の頭文字を取ったEC業界で古くから使われている用語で、ECサイトにおける必須業務のひとつである。実店舗とは異なり、ECサイトでは商品を直接手に取って見ることができない。そのため、商品を手にしたときのイメージがしやすいようサイズを正確に採寸し、見せ方を意識した撮影をし、魅力を伝える商品説明を用意する“ささげ業務”は、他社製品との差別化という視点からも重要な業務である。

 

“ささげ業務”を経て作成された商品情報は、ECサイトにデータを登録して初めて、商品ページとしてオンライン上に公開され、機能するようになる。そのために必要な作業が、次で紹介する商品登録業務だ。

 

 

商品登録業務とは

 

ECサイトが身近になり、ECモールや自社ECなど、複数のプラットフォームで出店することが普通になっている。しかし、モールごと、そしてプラットフォームごとに、その商品情報に関わる仕様が異なるため、それぞれに沿った形で商品登録業務を行う必要がある。商品説明などはある程度流用できるが、商品画像に関しては仕様だけでなく訴求方法の違いも大きいため、プラットフォームごとに別途編集する場合が多い。さらに、PC向けとスマートフォン向けの表示で異なる画像が要求されることもあり、端末ごとに画像のバリエーションが必要なケースも珍しくない。このようにして登録した商品ページを端末ごとに確認しながら調整を加え、最終的に公開に至るわけだが、商品登録業務は今後も恒久的に発生するうえ、新たなモールに出店する場合も同様の作業が必要になる。多くの商品を取り扱うほど負担は増していき、画像や商品情報、価格の登録ミスなども発生しやすくなるのだ。

 

この点がボトルネックとなり、思うように商品数を増やせず、また、商品登録スキルを持つ人材も増員できないという悪循環に陥る企業は多い。現行の商品登録体制では限度があるため、テクノロジーを用いて抜本的に改革し、業務の効率化や生産性の向上について考えるべき時が迫っているのだ。

 

 

商品登録業務の変遷

 

それでは、商品登録業務は、ECサイトの勃興期から今に至るまでどのように対応されてきたのだろうか。その変遷を見ていこう。

 

人手

初期から行われている基本的な方法が、人の手による手動登録である。現在でも少数のプラットフォームを利用している店舗や、商品数がさほど多くない中小規模の店舗では、手動で商品登録がされていることが多い。社内で登録業務を済ませることもあれば、ECサイトの運用代行を請け負っている企業にアウトソースする場合もある。以前から行われている最もベーシックな方法だが、前述のように、時間や人材面のデメリットが大きい。

 

商品情報一元管理ツール

10数年ほど前に登場したのが、商品情報を複数のプラットフォーム間で共有し、一元的に管理するツール。商品登録業務を複数のモールに対して一度で行えるほか、受注の一元管理や在庫の自動更新などが可能だ。ECサイト運用の効率化を目的に作られているため、在庫に応じた発注・仕入れの最適化やメールの自動送信といった機能も備わっている。CROSS MALLやネクストエンジンなどのサービスが代表的である。

 

RPA活用

RPAとはRobotic Process Automationの略で、自動化ツールの総称としてここ数年脚光を浴びているキーワードだ。そして、商品登録業務においても、このRPAを活用し、定型業務の自動化を行う動きがある。このRPAを活用したツールでは、あらかじめルールや手順を定めておくことで定型処理作業を自動化し、商品登録業務にかかる時間を短縮することが可能だ。利用しているプラットフォームが少なく、毎回決まった手順で商品登録を行っている場合は多くの工数削減が見込める半面、出店先が増えたり登録手順に変更があったときは、1からルールを定めて設定し直すなどの手間が発生してしまう。

 

AI活用

AI(人工知能)はRPA同様に、自動で業務を行うが、RPAと異なるのは、業務を学習し、使えば使うほど、より効率を高めていってくれる点だ。RPAでは手順の変更などに際し再設定が必要などのデメリットがあったが、それを解消することが可能なシステムである。RPAのように登録する際のルールを定める必要がなく、ベースとなる教師データを用いた学習により、AIモデル自体がルールを構築していくのが特徴だ。そのため、利用するプラットフォームが増えた場合でも、一定の幅で対応することができる。AIを活用したシステムは、商品登録業務において、より汎用的で柔軟な対応を可能にする。

 

 

商品登録業務を効率化することで見える未来

 

ECサイト運営において避けては通れない商品登録業務。しかし、その手間は多くのECサイト事業者を長年悩ませてきた。しかし、ここ数年のテクノロジーの進歩により、RPAやAIと言ったものを活用することで、大幅に業務を効率化することが可能になってきている。

デジタル技術を活用して既存の社会を変革するDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が経済産業省から発表され、2年が経とうとしている今、ますますデジタル技術の活用が加速していっている。このような中で、RPAやAIなどのテクノロジーを取り入れられない企業は競争力を失っていくことに繋がりかねない。人々の生活がデジタルを主軸としたライフスタイルに移行している今、企業側にも革新が求められているのだ。

また、これからのDXを主軸とした世界においては、より一層データの重要度が増してくる。ECサイト運営においても、パーソナライズマーケティングや需要予測、品揃えの最適化や顧客分析などはいずれも、データを起点とした取り組みだ。そして、商品情報も、ECサイト事業者にとっては非常に重要なデータ資産となっている。そして、今後競合と差別化していくためにも、その商品情報自体をよりリッチにしていく必要がある。

そのような未来に、AIを活用し、人手では作ることが出来ない大量で詳細な商品情報を、スピーディにデータ化することは大きなアドバンテージになるだろう。そして、これまではその商品情報の作成・登録に費やしていた多くの時間を、商品開発などの生産的な業務や、マーケティングなどの戦略的な検討にあてられるようになるのだ。

ECサイト運用で必須となる商品登録業務は、それにかかる手間や担当者増員の難しさから、これまで多くの企業を悩ませてきた。商品情報一元管理ツールでは対応できる範囲が限られているため、ツールを導入しただけで全て解決とはならなかったのが実情である。しかし、一見関係なさそうにも思える商品登録業務という分野にRPAやAIが導入されたことで、永遠のルーティンワークという課題に対し最適解のひとつが示されたといえよう。

 

 

商品登録業務のAI化を進める「macnica.ai」とは

 

macnica.aiとは、マクニカネットワークス社が提供する、AIビジネスを統括する事業ブランドの名称である。マクニカネットワークス社は、全従業員のうち技術者の割合が30%以上を占める、テクノロジーのプロフェッショナルサービスを強みとする企業だ。macnica.aiは、デジタル変革期における企業のAI活用を想定しており、AI開発のプロセスからシステム構築まで一気通貫でサービスを提供している。

その中のひとつである「CrowdANALYTIX for Product Master Database(CAX PMD)」は、商品登録業務をAIにより自動化するサービスだ。機械学習・ディープラーニング・RPAを組み合わせることで、商品の分類や属性情報の抽出、商品情報の構造化を高い精度で行うことを可能にしている。これまで人の手で行われていた商品登録の自動化はもちろん、AIの学習でさらに対応の幅を広げていけるCAX PMDは、これからのDX時代に適合したテクノロジーといえるだろう。また、CAX PMDは、商品画像をプラットフォームごとの仕様に応じてトリミングや回転、サイズ変更などを自動で行い、出力することができる。その他、商品情報データの収集工程を自動化したい場合なども、要望に応じて機能を追加可能だ。

 

※この記事は、AIによる商品登録業務を効率化するサービス「macnica.ai」を展開するマクニカネットワークス社から情報提供を得て作成した記事である。商品登録業務をより効率化するためのヒントに関する資料は以下からダウンロード下さい。

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