COVID発生が顧客データと顧客ジャーニーを基礎から見直すきっかけに。

 

データドリブン(データに基づいて意思決定を行い実行すること。データ主導)のマーケティングと広告に関する我々の認識は、この半年間で変化し、経済や健康、社会環境の変化の中で消費者に何が起こっているのかを反映したものへと進化している。

 

主要なライフイベント 

これまでのデータ収集は、結婚、出産または新居や車の購入といった大きなライフイベントに焦点を当てていた。しかしこうした身近なライフスタイルのパターンが、私たちの目の前で形成されつつある新たな社会で再現されるかどうかは、現在のところはっきりとしていない。こうしたシンプルで伝統的なマイルストーン(重要なイベント)は、消費者にリーチする前に、彼らの現状をより理解するためのより詳細なデータ収集に置き換える必要がありそうだ。

 

以下は、先月、AdReady+(独立した機関の計画から実行、レポート作成までを合理化する画期的なデジタル広告管理プラットフォーム)を発表したマーケター向けデータテクノロジーとサービスプロバイダーDigital RemedyのCIO、David Zapletal氏のメッセージだ。「顔の見えない大規模なデータセットは、過ぎ去った時代を如実に反映している」とZapletal氏。「COVIDは、一般的なデータと長時間を要するプロセスから、より迅速なプロセスにおける具体的な消費者データへの移行を加速させたのだ」。

 

データについての新ルール 

大規模データは、ほぼすべてのブランドが容易に利用できるものだが、データセット内の特異性を単純化し発展させることが課題となっている。Hybrid Theory(データドリブン広告プラットフォーム)のCEOであるPatrick Johnson氏によると、消費者データの複雑な世界は、以下の新たなルールに従うことでよりシンプルにすることができるという。

 

  • 現在の消費者データセットを分析し、現状の経済、政治、社会情勢との関連性を判断する。
  • COVIDの流行以降のキャンペーンで取得した新たなデータを、最も関連性の高いデータとして分離する。
  • データ経由で消費者の購入プロセスを再追跡し、消費者が現在の市場と関連性があることを確認する。
  • 現在の全データを検証し、有効性を確認する。

 

「我々は、個々のクライアントに、データを収集する上でどのような課題がみえてくるかを訊ね、それに応じたキャンペーンの修正を行う」とJohnson氏。「COVID発生後に収集した最新のデータは、非常に関連性の高いものとなっている。これまでは、データを利用して一人の人間を見ていたが、現在は適切な種類のデータ収集が、目前の新たな集団についてのイメージを構築するのに役立っている」。

 

気に掛けるべき理由 

この半年間で、世界が変化したという認識が強まっており、全てが流動的な状態にある中、伝統的なビジネスのあり方も変化している。粗雑な人口統計はすでに廃れかけており、消費者の生活がどのような状況にあり、そして彼らがどのような手助けを求めているかを理解する必要性は、緊急性を要しているのだ。

 

 

※当記事は英国メディア「Marketing Land」の9/1公開の記事を翻訳・補足したものです。