ドイツ発ファッション・ライフスタイル製品eコマース企業Zalandoは、今年のGMV(流通取引総額)が10~20%増加すると予測。収益も同程度増加するとみている。一方、ファッション市場全体では、COVID-19の発生により、約28%の減少が見込まれている。

 

米国大手コンサルティング企業のMcKinseyが実施した2020年のファッション市場の状況を示す最新の調査では、世界のファッション業界の収益が、今年は前年比で27~30%減少すると試算している。しかし、欧州オンラインファッションプラットフォーム大手のZalandoは、ファッション業界全体を大幅に上回る成長を見込んでおり、この難を乗り切ることが期待されている。

 

Zalandoは、消費者の購買方法がオフラインからオンラインショッピングへと変化していることが成長の原動力となると予測。「プラットフォーム移行を加速させたことと、需要の変動や困難な環境に左右されない投資能力を有している」とZalandoは説明している。

 

過去3週間で新たなパートナー50社がプログラムに参加

COVID-19発生後の欧州全体における政府規制のため、ファッションブランドは顧客へのリーチを維持する為に、さらにビジネスをオンラインへと移行している。これにより、第1四半期のZalandoのパートナープログラムのGMVは、前年から4.4 ポイント増加した。4月下旬から5月にかけての3週間だけで、50社の新たなパートナーがこのプログラムに参加している。

 

欧州でConnected Retail programが拡大

先月、ドイツオランダの実店舗は、Zalandoの顧客に約35万点の商品を出荷した。第3四半期には、Zalandoは、スペインスウェーデンポーランドの小売業者にも同社プラットフォーム経由で直接顧客に商品を販売できるこのConnected Retail programを提供する予定だ。

 

「実店舗を構えるスペイン、スウェーデン、ポーランドの小売業者がZalandoのConnect Retail program に参加できる」

 

「2020は確実に黒字」

Zalandoは、調整後のEBIT(Earnings Before Interest and Taxes:利払い前・税引き前利益)を1億~2億ユーロとし、「確実な高収益」を予測しているという。また、2億3千万から2億8千万ユーロ相当の投資を行うことを前向きに検討している。「これにより、ビジネス構築がますます困難な経済環境の中でも、当社のパートナー企業はZalandoのプラットフォームで成長し、市場シェアを獲得することが可能となる。パートナーの多くは、過去数週間で当社のプラットフォームでのビジネスを活発化させている。そうした動きの中で、欧州全域の顧客へより容易にリーチするため、我々は引き続き努力していく」と、同社の共同CEOであるRubin Ritter氏は述べている。

 

※当記事は、英国メディア「Ecommerce News europe」の5/7公開の記事を翻訳・補足したものです。