2020年に入り、早くも半月が過ぎようとしているが、本記事では、2019年に人気の高かったいくつかのインサイトを紹介していく。2020年のアクティビティのインプットにしてもらいたい。

 

1.測定不可能なものが最も重要となる可能性がある

「マーケティング担当者は当然のことながら、アトリビューションレポートを使用して、傾向と相対的効果を評価する必要がある。しかし、絶対数から重要な結論を導き出すことは、危険な方法となる可能性もある」とON24(オンラインバーチャルセミナー、イベント事業者)のJoe Hyland氏は警告する。「たとえば、あるタイプのタッチポイントと、別のタイプのタッチポイントを含む取引の成約率を比較するのは合理的である。しかし、ある特定のタッチポイントタイプが、それ単体で一定量のパイプラインをもたらすと結論づけることは、妥当ではない」。

一部のチャネルは、そのプラットフォームでの競争が非常に激しいことが理由で、より少ないコンバージョンしか達成できていない可能性がある。または、チャネル自体ではなく、実行方法に問題がある可能性もある。アトリビューションレポートでは、施策が成果を上げていない理由はわからない。そこは、マーケティング担当者の出番である。実行した施策を分析して最適化し、さまざまなチャネルで複数の施策を実行し、測定不可能なものが長期的な利益を生み出すと信じるのは、マーケティング担当者の役割なのだ」。詳細(英語サイト、以下同)>>

 

2.流動的なプロセスであるマーケティング戦略を失速させない

「顧客ジャーニーマッピングは、マーケティング戦略と運用のマニフェストとなる。顧客が、競合他社と彼らとのインタラクションも含めて、(デジタルでも、物理的にも)どこで食事をし、買い物をし、アプリを使用し、訪れているのかという詳細な情報に基づくことこそ、堅実な戦略構築につながる」と、マーケティングおよびクリエイティブオペレーションコンサルタントのSharon Joseph氏は説明する。「しかし、気を緩めてはいけない。それはビジネスであり、流動的なプロセスである。顧客とつながるための戦略的アプローチを完成させたと思ったら、経済的変化が起こる。そして、顧客とのつながりをその変化に適応させる必要が生じる。顧客とのコネクションを構築するため戦略を常に新しいものにアップデートすることが必要な戦略である。戦略の失速は、極めて深刻だ」。詳細>>

 

3.ブランドストーリーをメディア全体に発信

「自社のブランドストーリーを、メディア主体で考えてはいけない。ブランドストーリーは、メディアに依存させるべきではないのだ。つまり、ブログ投稿からソーシャルメディアインタラクション、ビデオストーリーテリングまで、あらゆるメディアでスムーズに発信しなければならない」と語るのは、Noble Digital(ブランド戦略エージェンシー)のAllen Martinez氏。「これは、1つのメディアを選択し、それを継続すべきという従来のアドバイスに反するものである。確かに、いくつかのメディアは、価値を提供するかもしれない。ただし、全てのメディアに当てはまるわけではない。創造性の高い優れた戦略とは、オーディエンスだけでなく、自社組織にとって有効なさまざまなプラットフォームを考慮に入れ、それら全体で同時に機能するように構築されている」。詳細>>

 

4.ソーシャルメディアプラットフォームのベストプラクティスを理解する

「デジタル業界の状況を把握し、プラットフォームに応じた多様な方法で、自社からのメッセージを明確に表現する必要がある」とVisiture(eコマースデジタルマーケティングエージェンシー)のRonald Dod氏は説明する。「Twitter、LinkedIn、Facebook、その他のソーシャルメディアプラットフォーム広告では、この点に特に留意する必要がある。ツイートとして機能するものは、多くの場合、LinkedInでは優れた投稿とはならない。逆の場合も同様である。ソーシャルメディアへの投稿で十分なエンゲージメントが獲得できない場合は、異なるソーシャルメディア向けのメッセージを書くときに、そのプラットフォームに合わせて調整し、いくつかのベストプラクティスをレビューし、最新の更新情報を把握する必要があるかもしれない。文字数の制限や投稿の書式設定など、各プラットフォームの独自の基準を理解することが重要である」。詳細>>

 

5.アトリビューションが常に重要な理由

「結果をトラッキングしている場合、いかなるレベルであれ、信頼しているかどうかにかかわらずアトリビューションモデルを使用していることになる。そのため、アトリビューションを使用する予定(及び、使用中)であれば、可能な限り正確に実行する必要がある」と、Cultivative Marketing(マーケティングエージェンシー)のAmy Bishop氏は説明する。「アトリビューションの目標は、何が機能しているか、何が機能していないか、そして、全体としてどのように連携しているかについてより優れたインサイトを得ることである。私は、率先して、100%信頼できるアトリビューションを実行した企業が世界に存在しないことを認める一方で、より正確なアトリビューションを実現するためにエネルギーを注ぐことが重要であることを主張したい」。詳細>>

 

6.Googleタグマネージャでのトリガーと変数の設定

「Google Tag Manager(タグ管理ソリューション)は、マーケティング担当者と開発者の双方にとって、1つのシンプルなインターフェイス上で、アナリティクスと広告プラットフォームのトラッキングコードを設定できるため、非常に有効である」と、Clix Marketing(デジタル広告エージェンシー)のSMX EastスピーカーであるTim Jensen氏は語っている。「自社サイトでトラッキングコードを起動するタグを設定したら、タグを呼び出すトリガーを選択できる。トリガーは、ページビュー、クリック、要素の可視性、フォームの送信、サイト滞在時間、カスタムイベントなどの多くのアクションに基づく。目的のトリガーを選択し、フィールドを使用して条件を指定する。たとえば、特定のURLページが表示されたときに、特定のページビュートリガーを起動できる。また、複数の条件を追加することも可能である。これらの条件が、すべて“true”の場合に、トリガーが起動する。Googleタグマネージャでトリガーを設定するときに、デフォルトでオプションに表示される変数の数は限られている。より正確なカスタマイズを検討する場合は、インターフェイス上で、追加変数を有効にする必要がある。たとえば、すべてが同じCSS(カスケーディングスタイルシート)クラスからなるボタンのクリックをターゲットにしたい場合があるだろう。その場合は、 [クリッククラス]の横にあるチェックボックスをオンにすると、この変数がオプションとして表示されるようになる」。詳細>>

 

7.メールのベストプラクティスのテンプレート以外の要素

「ベストプラクティスは極めて有用であるが、最終的な決定となるべきではない」と、Origin Email(デジタルマーケティング会社)のRyan Phelan氏は述べている。「そうではなく、プログラムをスタートする際に活用し、その後、自社のブランド、会社、顧客に最適なプラクティスを開発すべきである。例えば、ウィンバック・プログラムの場合を例に挙げよう。数年にわたる試行錯誤とテストを経て進化したベストプラクティスは、非アクティブな顧客を呼び戻すために、エスカレーションオファーを提供する3件のeメールを異なる間隔で送信することである。それが、理想的である。ただし、1件か2件のメール送信しか必要としないブランドもあるだろう。B2B企業、特に長期の検討期間を必要とする商品を提供する企業では、5件以上が必要になる場合がある。ベストプラクティスはテンプレートであり、プランニングのスタート地点なのだ。次に、そのテンプレートをニーズによって調整する必要があるだろう。詳細>>

 

 

※当記事は米国メディア「Marketing Land」の12/26公開の記事を翻訳・補足したものです。