11年目を迎える今年は、2017年のSingles’ day(独身の日)に比べ消費者が1億人増えるだろう。

 

今月21日、中国のeコマース大手Alibaba Groupは、世界最大規模のショッピングイベント「global shopping festival」のプリセールを既に始めている。「Singles’ day」と呼ばれるこのフェスティバルは、11月11日に開催される予定であり、今年で第11回目を迎える。

 

このフェスティバルの最大の魅力は、1つのプラットフォームにおいて、多種多様なブランドの商品が大幅割引や定期的なフラッシュセールで提供されることだ。昨年、この1日限定で開催されるショッピングフェスティバルは、ブラックフライデーやサイバーマンデーなど、米国の主要なショッピングフェスティバルを上回り、24時間でおおよそ400億ドルの売上を達成した。

 

同社は今年、この2年間にわたり下層都市での消費ニーズが高まりつつある中国を含む全世界において、同社ウェブサイトでの5億人近い買い物客を見込んでいる。

Alibaba Groupによれば、2019年6月現在、同社が設立した中国最大のオンラインショッピングサイトTaobaoのこの2年間における新規モバイルアクティブユーザー2億2,600万人のうち、70%は下層地域のユーザーだという。

Alibaba最高マーケティング責任者(CMO)Chris Tung氏は、「中国の未開発市場に注力したことが、新規顧客獲得数増加という成果をもたらしている」と述べている。

Alibabaは、中国の工場が、分析ツール、IoT(モノのインターネット)機能、マーケティングツールへアクセスできるようにし、よりテクノロジーに精通し、下層地域の消費者の需要に応えられるよう支援してきた。

 

米中貿易戦争

投資家達は、Alibabaの米国に向けての販売が、米国が中国からの消費財に3,000億ドル以上の輸入関税を課している現在進行中の貿易戦争の影響を受けることに対する懸念を強めている。Amazonで商品を販売している中国事業者は、すでに自社の売上への貿易戦争の影響を訴え、何らかの圧力緩和策を求めているが、Amazonは貿易戦争の問題については公にコメントを出していない。

 

とはいえ、2018年は貿易戦争の懸念による市場センチメント(市場心理、投資家心理)がまだ穏やかであったため、Alibabaは記録的な販売数を記録している。

 

※当記事は米国メディア「Enterpreneur」の10/22公開の記事を翻訳・補足したものです。