インドのEC企業Flipkart GroupのCEOであるKalyan Krishnamurthy氏は、同社の売上は景気後退による影響を受けていないと述べている。

 

報道によると、Krishnamurthy氏は、Flipkartの売上の大部分(70%)がTier2都市(都市人口が100万人以上400万人未満の都市)およびTier3都市(都市人口が50万人以上100万人未満の都市)によるものであり、その成長率は約90%であると述べている。それに対し、Tier 1主要都市(人口400万人以上の都市)におけるビジネスは、約45%の成長率となり、その売り上げは小規模都市の半分である。

Krishnamurthy氏 はインドの日刊新聞The Economic Timesのインタビューに対し、「もはや、10〜20%を占める最高所得者層が主要な顧客ではなく、40〜50%を占める中間所得者層とそのニーズが重要であると考えている」と語ったと伝えられている。

先月、Amazon Indiaの最高責任者であるAmit Agarwal氏は、同社の提供サービスにおいて、いかなる減速も見られていないと発言。「我々は、インドの現在の経済状況などの短期的状況に気を取られることなく、長期的な目標にフォーカスしている」と語った。

 

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最新の公式データによると、2019年から2020年の4〜6月四半期におけるインドのGDP成長率は、6年連続で5%という低い水準。この不況の主な理由として、製造業生産高の急激な減少と農業部門活動の不振が挙げられ、一部の業界ウォッチャーは、規制の不確実性を別の要因として指摘している。

インドでは、4億人のアクティブ・インターネットユーザーと、3億5千万人のスマートフォンユーザーがいると推定されている。平均すると、インドのインターネットユーザーは、年間ベースで4,000万人増加していると言われており、そのペースは世界最速レベルである。また、現在、インドのモバイルサービス加入者は、1か月あたり平均8GBのモバイルデータを使用しており、先進国と同等である。

インドのインターネットユーザー増加にあわせて、複数のテクノロジー・スタートアップが、Tier2よびTier3都市のオーディエンスのニーズに合うサービスを提供しようと試みている。Flipkartも、今年2月に「The Reach Project」を開始し、Tier2およびTier3都市をサービス提供マップに追加した。

 

また、Flipkartの同プロジェクトは、数千の新しいセラー、MSME(中小企業)、国内メーカー、職人の同社のeコマース・システムへの取込みを目標としていた。

eコマース・セクターの新規参入企業の1つであるReliance Jio(インドの通信サービス会社)も、Tier 2およびTier 3市場にフォーカスしている。Reliance Jioと同じくReliance Industries Limitedの子会社であるReliance Retail(インドの最大手小売)は、5,100箇所のJioの店舗拠点を活用し、Tier 2およびTier 3都市を含む農村地域へのeコマース事業を拡大予定であると、以前に報じられている。

コンサルティング会社Deloitte Indiaおよびインド小売業者協会(RAI)のレポートは、インドのeコマース市場を2,000億ドルと評価し、2021年までに1.2兆ドルに成長すると予測している。

 

※当記事はインドメディア「Inc42」の9/24公開の記事を翻訳・補足したものです。