英国の小売業者の多くは、配送オプション(選択肢)を提供することによる影響と、その価値を認識していない。消費者の4人中3人は、配送オプションが気に入らないという理由でカートに商品を放置し購入を止めているという。しかし、小売業者の47%は、カート放棄率や消費者が自社のオンラインショップで購入をやめた理由を、知らないのである。

 

英国では、消費者の2人に1人が、週に1度はオンラインで何かしらの商品を購入している。そのため、オンラインの買い物客は、配送オプションを重視しているのだ。しかし、多くのオンライン小売業者は、提供している配送方法について消費者がどう考えているか、そして、なぜ時折買い物客が自社のECサイトから離れてしまうのか、十分な知識を持っていない。

 

米国に本拠地を置くECサイト制作・運用会社BigCommerceによる英国での配送に関するレポート(要登録)によると、オンライン小売業者は、顧客の行動に適応した配送方法の実行に努めるべきだということを示している。

 

「配送をビジネスの需要な要素であると認識する」

BigCommerceの副社長Mark Adams氏は語る。「小売業者は、配送を自社の業務の極めて重要な要素として扱うべきだ。さもなければ、取り残されるリスクが高い」。そして「オンライン小売業者が提供する配送エクスペリエンスは、マーケティングや製品と同じくらい重要だ。消費者が配送に対して何を期待しているかを知るために、時間とお金をかけることは、最優先事項ではないかもしれない。しかしこれを実行することにより、リピート顧客を生み出し、売上を増加させる可能性がある」と述べた。

 

消費者の44%は配送料無料サービスを提供しない小売業者を避ける

今回の調査では、英国の消費者の35%にとって配送は非常に重要であること、そして、配送に関して満足度が低い体験をした場合、最終的にそのオンライン業者からの買い物をやめているということがわかった。さらに、英国のオンラインショッピング客の44%が、配送料無料の設定がない小売業者を避けると回答している。

 

消費者の36%は「翌日配送」に追加料金を払いたくないと考えていること、また、87%は、配送料を無料にするために追加で商品を購入している、という興味深い発見もあった。

 

消費者の多くは無料の返品を希望

BigCommerceのレポートによると、送料無料で返品を受け付けている英国のオンライン小売業者は12%しかいないという。そして、2020年に無料返品のオプションを用意する予定だという小売業者は、たった5%とのこと。一方で、消費者の37%は、小売業者が送料を負担する無料の返送を希望している。

 

※当記事は欧州メディア「Ecommerce News」の7/8公開の記事を翻訳・補足したものです。