顧客からのフィードバック運用方法(フィードバックを”所有”しているかどうかは問題ではない) | 海外ニュース | EC業界ニュース・まとめ・コラム「eコマースコンバージョンラボ」
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マーケティング
2019/07/18

顧客からのフィードバック運用方法(フィードバックを”所有”しているかどうかは問題ではない)

顧客によるフィードバックへのアクセスを可能にすることは、昨今のフィードバック経済において最も価値のある資産の1つとなる

今ほど、フィードバックがビジネスにおいて不可欠となったことはなかっただろう。私たちは、これまでにないグローバルな透明性やデジタルでの体験共有、そして、他者に聞いてほしいという願望の時代に生き、ビジネスをしている。このような環境では、自社や自社の製品、そして提供している(またはしていない)エクスペリエンスについてのフィードバックは、常に表面化してくる。そして、企業が望むかどうかにかかわらず、フィードバックはチャネルを越えて、絶え間なく明るみにでる。これが、フィードバック経済と呼ばれるものだ。

 

企業に対する顧客の期待はかつてないほど高く、それはますます高まっている。フィードバック経済は、人々の判断方法を変えたのだ。そしてそれは、我々マーケティング担当者の役割が変化したことを意味する。筆者は最近、顧客からのフィードバックを活用したマーケティング強化について話をした。その後、聴衆に私の話が的確であったか、もっと詳しく知りたかったことは何かといった点についてのフィードバックを求めた。その回答の中でわかったことは、マーケティング担当者が顧客からのフィードバックを活用したいと考えているが、自社組織に有意義な方法でフィードバックデータを統合することに苦労しているということであった。特に、次の2つのコメントは興味深いものであった。

 

  • 「組織全体でどの部門がフィードバックを収集しているのかが不明である。そして、組織全体からの承認を得ながら、どのようにすれば顧客の視点が企業の立場を単に改善するためだけではなく、顧客の満足度を向上させるために活用できるのだろうか?」
  • 「責任の所在について悩んでおり、プロダクト・マーケターとして、フィードバックすべてが自分の責任となることが心配。フィードバックでの提案にどのように対応し、組織全体に広めるべきなのだろうか?」

 

前四半期にロンドンでビジネスリーダーのグループを招集し、フィードバック経済においてのビジネスのやり方を議論した際、前述のマーケターの不安要素について、さらに掘り下げてみた。そして、「顧客のライフサイクルを通してフィードバックを収集する責任があるのは、最終的に組織内のどの部門であるか?」という質問をした。これに対し最も多かった回答は、カスタマーサービス部門で33%。マーケティング部門は16%で2位、戦略部門は13%で3位という結果だった。

 

しかし、出席したリーダーのほぼ4分の1(23%)が、顧客からのフィードバックは別部門が所有していると回答。そして実際には、各組織にて分散して所有されている場合がほとんどのようだ。すべての部署が顧客からのフィードバックを収集し、それに基づいて行動する責任を感じていることは素晴らしい。しかし、顧客のライフサイクルを通じてシームレスに検討していない場合、混乱や失敗の原因となり、顧客に対する分断されたエクスペリエンスの提供につながってしまうことになるだろう。

 

組織の全員に顧客からのフィードバックを活用する権限を与えたいと考えるならば、適切なインフラストラクチャと運用ルールを整備する必要がある。以下に、組織がフィードバックの収集、および運用方法の強化のために実行すべき5つの戦略的ヒントを紹介しよう。

 

ヒント1:好奇心を生み出す環境を構築する

私たちの周りには、データが溢れている。そして企業は、人々がどのように自社サイト発見し、誰が何をクリックし、いつ顧客が最もアクティブになっているのかを把握している。しかし、顧客を実際に理解するためには、ただ指標を収集するだけでなく、彼らがクリックやスクロールした「理由」を明らかする必要があるのだ。フィードバックを有意義に運用するための最初のステップは、顧客が何を考え、感じているのかについて、自社の社員に興味を持たせることである。好奇心を持つことは、フィードバック経済において成功するための前提条件となる。

 

ヒント2:データを流す

顧客からのフィードバックをどの部門が「所有」すべきかを考える代わりに、それを有効活用できる部門に、確実にフィードバックが提供されるようにしなければならない。既存の記録システム(Salesforce/営業支援・CRMツール、Tableau/データ可視化ツール、Outlook、Slack/チームコミュニケーションツール、Power BI/対話型データ視覚化ツール、IBM Watson/質問応答・意思決定支援システム、Marketo/マーケティングオートメーション・ソフトウェア、Eloqua/マーケティング自動化ツールなど)と統合可能な調査ソフトウェアを選択することが必要なのだ。データを、これらのツールに直接流し込むことで、マーケティング部門が価値ある顧客のフィードバックにアクセスできるようになり、彼らがどこでいつ決定を下しているかといった、より詳細な状況を把握することが可能となる。

 

ヒント3:誰でも簡単に(そして安全に)アンケートを実行可能にする

自社インフラストラクチャにおけるフィードバックデータを主要な記録システムに統合する準備が整えば、すべてのチームに調査ソフトウェアへのアクセスを解放し、誰でも顧客の意見を聞くことができるようにするのだ。そして、テンプレートや質問例を提供するなど、適切なガイドラインを設定することで、各部門が効果的な調査を実施できるようにサポートする。また、企業のリーダーに対し、日次、週次、または四半期ごとの指標と目標達成度チェックにおいて顧客のフィードバックを組み込むようにさせ、その効果を可視化することである。

 

ヒント4:単発調査と継続調査を区別する

製品発売前の価格設定や包装に関する調査に代表されるような、1回限りで行う有効な単発調査もある。しかし、時間の経過に伴う変化を確認するためには、長期的にフィードバックを測定したいケースもあるだろう。例えば、筆者の所属するオンラインアンケート会社Survey Monkeyは、全世界における同社のトップマーケットにおいて、半年毎にブランド・トラッキング調査を実行しており、競合他社と比較してどのような傾向があるかを見極めている。そして、どのようなケースにおいて、長期的調査ではなく、単発調査を実施すべきかについて従業員に教育し、収集したフィードバックに対してプログラム的アプローチを取ることができるようにしている。

 

ヒント5:調査結果を可視化する

フィードバック・アンケートの結果は、全員参加のミーティングで公表し、製品開発プレゼンテーションにおいて強調し、さらに、プレスリリースにも取り込むべきである。そして、フィードバックの背景について議論するように働きかけるのだ。フィードバックに基づき企業は何を変更したらよいのだろうか。企業が、顧客のニーズにフォーカスしていること示すことは、単に顧客エクスペリエンスの向上に役立つだけでなく、従業員の定着率も高めることにつながることも分かっている。当社の調査によると、自社の顧客満足度が高いと認識している従業員の83%が、2年間は現在の仕事にとどまると考えているとのこと。一方、自社の顧客満足度が低いと考える従業員の場合、その数は56%にまで減少するのだ。つまり、顧客からのフィードバックを大切にしながらビジネスを行っていることを示すことにより、想定外の効果を生む可能性もあるということである。

 

※当記事は英国メディア「Marketing Land」の7/8公開の記事を翻訳・補足したものです。

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