集客からプロモーションまで、企業向けのマーケティング支援をワンストップで行う株式会社Oz linkは、8年前からBtoC事業を開始、株式会社Oz link &STYLEにて化粧品販売を行っている。マーケティングと化粧品は一見縁がないもののようにも思えるが、なぜ同社は化粧品販売を始めたのだろうか。並々ならぬ想いを形にしたという高機能設計のスキンケア_NEUR(アンダーノイル)の話を中心に、同社の代表取締役である大嶌氏にその取り組みを聞いた。

 

※今回は、_NEUR(アンダーノイル)のECサイトに導入されている、リピート通販専用カートであるリピストを提供する、株式会社PRECSの協力のもと、株式会社Oz link、株式会社Oz link&STYLE(旧株式会社soar)の代表取締役 大嶌 修平 氏にインタビューを実施した。

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先進テクノロジーとオーガニックを融合させた「_NEUR」

 

Oz linkは、マーケティングを通して広くEC事業に携わり、さまざまなクライアントのプロモーションを手掛ける中で、ある疑問を感じたという。

「利益率が高くリピートも多い化粧品という分野では、ただ儲かればいいというブランドも多くありました。そういったブランドを見ていて、もっと世に必要なもの、なくなっていかない本質的な需要を押さえたような商品を作りたいと思ったのが、化粧品販売を始めようと思ったきっかけです」

そうして始まったのが、敏感肌の人向けのVINTORTE(ヴァントルテ)という名のシリーズだ。

VINTORTÉでは、ミネラルファンデーションをはじめとしたメイクアップ商品、スキンケア、ヘアケアを揃え、次第に売上を伸ばしていった。そして2017年12月には、新たにオーガニック志向の人に向けた_NEUR(アンダーノイル)シリーズを立ち上げ、美容液(タイムレスジェリーセラム)と美容オイル(コンセントレート・ウォータリーオイル)をリリース。

VINTORTÉが敏感肌や乾燥肌の人を対象にしていたのに対し、_NEURはもっと間口を広げた。ただ、単純に間口を広げただけでなく、突き抜けた唯一無二のものを生み出したいということから成分には相当こだわったという。開発当時、韓国を筆頭にヒト幹細胞が流行り、脂肪のヒト幹細胞のメカニズムを元に作られた化粧品が数多く発売された。そこに目をつけた同社は、当時まだ日本国内にはほとんど入っていなかった皮膚の幹細胞をベースにしたヒト幹細胞を韓国の企業から買い取り、開発を始めたのだ。そうして誕生したのがオーガニックと先進テクノロジーを融合した高機能設計の次世代型パワーコスメ、_NEURだ。同社は現在、工場を持たないファブレスメーカーというスタンスで事業を行っている。

 

 

_NEUR(アンダーノイル)の「ノイル」は造語で、ドイツ語のニュー(Neu)とピュア(ピュール/Pur)を足したもの。それがそのままコンセプトになっていて、「ナチュラル×テクノロジー」が1つのテーマになっている。オーガニックやナチュラルといった出来るだけ肌に負担をかけないもの、アルコール類や防腐剤などのケミカルなものを外したものを掛け合わせて作り、非常にこだわって開発したためロットも積んだが、売れる自信があったからこそ迷いなく決断ができたという。商品の価格は美容液も美容オイルも12,000円と若干高めだが、値段設定について同社の大嶌代表取締役はこう話す。

「世の中には安かろう悪かろうという商品も多く、そもそも安いものは売りやすい。でもその反面利益が残りにくいじゃないですか。例えば1万円のものを売っても1,000円のものを売っても、受注や発送の手間は一緒ですよね。つまり1万円のものを売れば10倍の労力を減らせることになります。皆さん売ることと利益のことしか考えていませんが、最終的なオペレーションやランニングコストを突き詰めて総合的に考えると、1万円のものを売る方が絶対に利益は残りやすい。そう考え、_NEURは単価を12,000円に設定しました。そこまで考えている事業者さんはあまりないのではないでしょうか」

_NEURは現在、モールには出店せずに自社サイトのみで販売を行っている。その理由について、大嶌氏は「モールでは利益が残りにくいから」と話す。モールは利益が残りにくい上、どうしてもモールに依存する形になるため、退店した時に何の財産も残らない。ECや通販はストックビジネスだと考える同社にとって、モールへの出店は何もメリットがないと判断した。VINTORTÉに関しては、現在Amazonと楽天のみに出店しているが、それはあくまで受け皿として、支払い方法を用意している程度の感覚だという。また、商品単価が3,000円〜4,000円ほどのVINTORTÉは、ロフトや東急ハンズ、ショップインプラザをはじめとした全国のバラエティショップに並んでいるが、12,000円という単価の_NEURはバラエティショップに入らないこともあってもともと店頭展開は期待しておらず、ECのみで販売するというイメージで始めた。そのため、商品の販売サイトはブランディングを重視し、ブランドの世界観を壊さないようにシンプルかつ訴求力の強い作りにした。大嶌氏は「_NEURを使っていただくことで、背筋を伸ばしてもらえるようなブランドでありたい」と話す。

 

 

リピート通販専用カート「リピスト」の導入

 

商品の販売においては、スキンケア商品を扱う以上定期通販は欠かせない。そこで同社では、VINTORTÉの発売前からリピート通販専用カート「リピスト」と「たまごリピート」の2つを検討し、結果的にリピストを導入することにした。リピストとたまごリピートを比較した理由について、大嶌氏は「いろいろな受注ソフトやCRMのデータなどを考慮すると、ある程度機能が揃っていてコスト感も含めて総合的に納得できるのはその2社ぐらいしかなかった」と言う。リピストは必要最低限の機能があった上で、それに対して必要なものを足していくというフレックス機能を採っており、それが非常に使い勝手が良かったのだそう。

「それまでマーケティング支援の業務の方でECサイト構築プラットフォームのfutureshopは使っていましたが、futureshopは総合的な、全体的に平均点の高いショッピングカートですよね。リピストはそのfutureshopに1つ定期というフォームが増える感覚でした。リピストに決めた理由の1つに”CVRを上げやすい一体型フォームを使用する”というものがあったのですが、リピストのフォーム一体型のLPは初めてにも関わらずとても使いやすかったんです。例えば、1回目の注文は30日周期だけど、2回目以降は60日周期にして隔月で配送するなど、リピストはかなりワガママが利いた。futureshopで同じようなマーケティングやプロモーションをやりたくても、カスタマイズができないのでそこは重宝しました」

リピストは単品通販・リピート通販に特化したショッピングカートASPサービスだが、特徴としては豊富なステップメールや商品ページ一体型申込フォームが挙げられる。さらにアップセル機能、会員属性(顧客ランク機能)、広告効果測定、電話受注対応システムなどの機能もあり、初心者から本格的なECサイト事業者まで幅広く対応している点が多くのEC事業者に重宝されている。

 

 

_NEURの販売戦略

 

Oz linkはあくまでマーケティングの会社であるため、これまで「どのマーケット、どのターゲットに対してどのような商品を提供するか」という考えを軸にさまざまな商品を生み出してきた。マーケティングに関しては、自分たちで学んだ情報をクライアントに提案するなどして、テストマーケして良かったものだけをクライアントに提供しているという。

_NEURは、2019年9月にクレンジングを発売してスキンケアラインが完結するが、3つの商品を一度にリリースしなかった理由について、大嶌氏は「一番最初に王道となる美容液(タイムレスジェリーセラム)を出して、本当に売れていくのかを見た上でその後の戦略を考えたかった」と話す。実はセラムはオールインワンゲルのような扱いで、1つでもスキンケアが完結する商品だが、オールインワンという言葉が先行しないようにあえてマーケティングを考えた。乾燥が激しかったり、ある程度年齢がいっている方は保湿感が足りなくなるため、そこを美容オイル(コンセントレート・ウォータリーオイル)がカバーするという図式を作ったのだ。オイルはどちらかというとサブ的なアイテムで売り出し、その作戦は功を奏した。

 

 

ASEAN諸国へアプローチして販路拡大

 

今後について大嶌氏は「まだまだ市場があるので、しっかりブランディングしてリピート率を高めて顧客数を増やしていきたい」と話す。オンラインはもちろん、将来的にはヘアサロンなども販路として捉えており、代理店を通さず自分たちのプロパーの営業で入れていく予定だ。12,000円という単価はヘアサロンでFace to Faceで販売してもらえれば売れる単価なので、そこを伸ばしていきたいと大嶌氏。また、国内はもとよりアジア展開も考えており、VINTORTÉに関しては今年中国に進出したのを皮切りに、8月にマレーシア、ベトナム、台湾の3カ国でECサイトを立ち上げる予定だ。ASEAN諸国は定期通販の概念はまだまだ少なく、まとめ買いで安く購入するというのが主流だそうだが、そこはあえて定期の訴求でいく。

なお、VINTORTÉの妹分的存在となる_NEURは、VINTORTÉでテストマーケしながら市場でうまくハマったところに出していく予定だという。大嶌氏は「今は飽和状態の日本でやるより、ブルーオーシャンのASEANである程度市場を作ってしまえば、2、3年後に必ず先駆者としての利益が出る」と言い切る。毎年120%ほどのペースでGDPが上昇し、化粧品を購入する20〜30代が日本の8倍も存在するASEAN。引き続き注力して販路を広げていく予定だ。

さらに同社では、現在乳酸菌の生成エキスを開発中で秋にも発売予定だという。こちらは40代、50代、60代をメインターゲットにしながらその下の世代も取り込んでいく考えで、さらなるファンの獲得を目指す。また、これらの化粧品だけでなく、今年春には京都にスポーツジムもオープンさせた。グルテンフリーの考え方をもとに、食事療法を取り入れながら美と健康を追求し、将来的にはビーガンレストランの展開も視野に入れている。

 

_NEURが導入しているリピストとは

 

リピストとは、単品通販・リピート通販に特化したショッピングカートASPサービスだ。商品ページ一体型申込フォームや豊富なステップメールが特徴的なサービスで、アップセル機能、会員属性(顧客ランク機能)、広告効果測定、電話受注対応システムなどの機能もあるため、初心者の方から本格的なECサイト事業者様まで幅広く対応している。


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