アスクル株式会社は、2018年7月12日より新たな小口配送モデルの実証実験を開始する。東京ミッドタウンを対象エリアとし、東京ミッドタウンマネジメント株式会社佐川急便株式会社の協力のもと、アスクル法人向け通販サービス「ASUKUL」とアスクルオリジナルコピー用紙(A4)を対象に行う予定だ。

 

需要予測出荷で生産性向上を狙う新モデル

従来、アスクルが行っていた小口の輸送・配送は、注文の受付から配送までが一貫したものであった。ユーザーからの注文に応じて、その都度ユーザー別にピッキング・梱包した荷物を在庫拠点である全国9か所の物流センターから出荷する。

今回、実証実験を行う新モデルでは、輸送・配送を分離する。アスクルは、ビックデータを解析して需要予測をたて、注文を受ける前に一定数の商品を通常の都度出荷品と共に事前出荷し、これを配送エリア近隣のスペースに輸送・一時保管し、注文に応じてユーザーに台車で(短距離宅配)を行うのだ。

物流センターから商品を事前に出荷することで、通常の都度出荷品を積載する車両の空きスペースを活用し、注文量に影響される輸送所領の積載効率を高めることで、配送量の平準化による生産性向上を実現する。さらに、注文からお届けまでのスピード向上も期待される。

 

今回の新小口配送モデルは、グレーゾーン解消制度により、オフィスビルなどの空きスペースを借り受け、商品を一時保管する行為が倉庫業法上の登録を要しないことが明確になったことから、実証実験開始に至った。今後は実証実験結果の検証を進め、順次サービスインすると共に対象エリアを拡大していくという。