物流サービス倉庫業、EC・通販事業サポートを展開する株式会社ライフポーターは、2018年3月に共同仕分宅配センターを設立する。首都圏の中小輸送・倉庫会社の数社がライフポーター社の自社倉庫の一部において共同作業を行い、大手宅配会社よりも顧客、ドライバー双方にとって良い条件を打ち出すことで、中小通販事業者や個人輸送事業者を支援する。
大手宅配会社に対抗、大手より5割増しの配達手当を
今回設立されるセンターは宅配便の仕分けから配達までの作業を、個人輸送事業者(軽四貨物ドライバー)を抱える首都圏の中小輸送・倉庫会社約10社が共同で行うものだ。ライフポーター社の約4,000坪の自社倉庫のうち約800坪のスペース内で荷物を仕分けし、首都圏内の商業地・住宅地の消費者に配送する。現在、このセンターへの参画を決めているのは8社~10社程度であるが、今後さらに増やしていく方針で、最終的には30社体制、月間90万個程度の取り扱い数を目指す。
運営は共同組合もしくは出資契約の形態で行い、大手宅配便の5割程度の運賃で荷主側の経済的負担を軽減。同時に、大手宅配会社よりも約5割増しの配達手当をドライバーに支払うなど個人運送事業者の収入アップや労務・職場環境の改善にも取り組む。
首都圏内に特化した運営とフレキシブルな労働環境
センターの仕分けスペースが配分されるライフポーター社の自社倉庫は、安浦市舞浜地区にあり、首都圏の流通拠点だ。大仕分けはライフポーター社が行い、二次仕分けは各県に拠点となる倉庫を設けて対応。遠隔地への配達は大手に任せ、このセンターでは、首都圏内で購入履歴が多い商業地区・住宅地区に特化。各社とも地域限定、台数制限(上限は100台)を設けて営業をする。
なお、パートタイムでの配送業務、大手宅配会社や大手通販会社の自前運送を請け負っているドライバーが、余った時間、空いた時間を使って、このセンターで働くことができる。
ライフポーター社は、現在の大手宅配会社中心の配送システムだけでは、消費者への良質な配送サービスは困難だとし、人材と、インフラの更なる充実が不可欠だという。フレキシブルな働き方を採用することで、高齢化の進む輸送ドライバーの待遇を改善し、若者を業界に取り込む環境づくりを目指す。
今回、ライフポーター社が発表した共同仕分宅配センターは、宅配大手の運賃値上げに対抗した、中小通販事業者や個人運送事業者を支援するものだ。EC業界の急速拡大に伴いドライバーの需要は高まっているものの、人手が足りないのが現状だ。ライフポーター社は、労働環境を整えることからこの問題解決に向けて取り組む。