今年上半期、Temu(中国の国外向けオンラインマーケットプレイス)は、月平均1億1,570万人の欧州ユーザーを獲得し、その数は昨年下半期から1,290万人増加した。注目すべきは、Temuの主要欧州市場における成長率が平均を上回ったことである。


Temuは、大手オンラインプラットフォームとして、デジタルサービス法(違法コンテンツや情報の虚偽情報等に対処する法律)に基づき、6ヶ月ごとに透明性レポートを公開することが義務付けられている。これらのレポートには、欧州連合(EU)全体および各加盟国における月間平均ユーザー数が記載されている。


主要市場における力強い成長

今年上半期を対象とした最新レポートによると、同社の月間平均ユーザー数は12.5%増加し、欧州全体で1億1,570万人のユニークユーザー(ある期間内にWebサイトを訪問したユーザー数のうち重複していない数)に達した。この成長の大部分は、Temuの主要欧州市場における力強い拡大によるものである。フランスでは260万人の新規Temuユーザーを獲得し、前年比19.4%の増加率でユーザー数の拡大を牽引した。スペインでは、ユーザーベースが15.6%増加した。

「Temuのフランスにおけるユーザー数が19.4%増加」

ドイツでもTemuユーザーが急増し、ポーランドやイタリアなど他の主要マーケットでも同様の傾向がみられた。

 

欧州におけるTemuのトップ5市場

以下は、Temuが今年上半期の月間平均訪問者数に基づき算出した、EUにおける上位5市場である。右側の列に半年前との比較成長率が示されている。

最も高い成長率となったのはルーマニアで、ユーザー数は20.5%増加し470万人に達した。しかし、Temuの他の小規模市場においては、成長率が欧州平均を下回った。

「ルーマニアは、パーセンテージペースで最も急速な成長を見せた」

Temuは、欧州全域および加盟国の利益団体や政府からの厳しい監視下にある。フランスは9月1日の週にブリュッセルで、同社が製品安全性などに関する欧州規則に違反し続ける場合、 Googleなどの検索エンジンから同社を削除すべきだと提案した。

 

欧州マーケットプレイスとローカルフルフィルメント

Temuは1年ほど前から、欧州の事業者が自社プラットフォーム上で販売することを許可している。同社はまた、オンライン注文の多くを欧州域内から発送することを目指しており、欧州からの注文の80%を現地倉庫から発送することを目標としている。


※当記事は欧州メディア「Ecommerce News Europe」の9/8公開の記事を翻訳・補足したものです。