ドイツのオンライン消費の成長は終わりを迎えている。昨年1年間で、ドイツの小売業者上位1,000社の合計売上高は前年を下回った。特に、上位企業で減収が目立っている。

これは、ドイツの科学研究所EHI Retail Instituteとeコマース分析調査企業ecommerceDBが実施した調査「E-Commerce-Market Germany 2023」で明らかになった。両社は、15年連続で、ドイツのeコマースの上位企業をマッピングしてきた。

 

トレンドブレイク

ドイツの上位オンラインセラーの売上は、これまで一度も減少したことがないため、トレンドブレイクが生じている。研究者たちの計算によると、2022年の総売上高は777億ユーロだった。これは2021年より22億ユーロ(2.8%)少ない。注:これは価格変動を調整しない純額である。

 

上位10社

Amazonは依然としてドイツ最大のオンラインセラーである。しかし、マーケットリーダーであるAmazonの売上はこの1年で大幅に減少した。以下は、上位10社における売上高の増減率を示したリストである。

ドイツに拠点を置くMedia Saturn Holdingが欧州各国で運営する欧州最大の家電量販チェーン店MediaMarktとその兄弟会社であるSaturnは収益が最も急激に減少し、ドイツのオンラインマーケットプレイスZalandoが3位となった。Appleは、トップ10内で最も収益を伸ばし、ドイツのファッションオンライン小売AboutYouは初めてトップ10入りした。

「MediaMarktとSaturnの収益が最も大幅に減少した」

EHIのeコマース調査部門の責任者Lars Hofacker氏によると、ランキング下位のオンラインショップは、大手競合他社よりも相対的に業績が良いという。「一部のオンラインショップは大幅な減収に直面しているか、倒産により翌年はランキングから姿を消すだろう。しかし、小規模店舗は相対的に強い伸びを示している」。

 

パンデミック

全体として、上位1,000社の売上はパンデミック以前に比べて約1.5倍になっている、とHofacker氏は指摘。さらに、「今年度については、当初は減少傾向が続くと予想している」と付け加えた。


※当記事は欧州メディア「Ecommerce News Europe」の9/28公開の記事を翻訳・補足したものです。