ベルギーのeコマースは、2021年に117億ユーロ(約1.57兆円)に達した。これは、一年前と比較すると33%の成長である。昨年末の時点で、ベルギーでは合計56,642のオンラインストアが登録されている。

 

この数値は、ベルギーのeコマース協会であるSafeShops.beが発表した「eコマースバロメーター第6版(the sixth E-commerce Barometer)」によるもの。このレポートは、ベルギーでのeコマースに関するより多くのインサイトを提供している。同レポートの数字は、決済プロバイダーが収集したオンラインストアの取引データに基づくものである。

 

33%の増収

昨年、ベルギーのオンラインストアは、合計で117億ユーロの売上を達成した。これは、2020年(33%)と比較すると、目覚ましい成長であった。これに伴い、取引件数も39%増加し、全体で1億5,000万件を超えた。

 

「これは、驚くべき結果だ」

 

「成長は予想していたものの、これは驚くべき結果だ」と、SafeShops.be のマネージングディレクターであるGreet Dekocker氏は述べる。「パンデミックの発生以降、すべてのセクターがフル操業に戻ったわけではないが、今のところ成長の鈍化はないと結論づけることができる。オンライン消費者の行動変化は継続しているだけでなく、さらに拡大している。これは、取引量と取引件数のいずれにも反映されている」。

 

大半は小規模企業

起業家は消費者の行動変容を認識し、その結果、ベルギーで登録されているオンラインストアの総数が2021年に17.5%増加した。新しいオンラインビジネスのほとんどは、零細企業や小規模企業によって運営されている。ベルギーのeコマースはこうした企業によって占められており、オンラインビジネス全体の97%にあたる。

 

しかし、中堅企業と大企業が、ベルギーのeコマースにおける総売上(98億ユーロ)の84%以上を生み出している。中堅企業と大企業は、計1,455社ある。

 

「ベルギーのeコマースでは、中堅企業と大企業が全体の84%の収益をあげている」

 

輸出が増加している

パンデミックのさなか、クロスボーダー取引は15%に減少した。最新のレポートによると、取引全体の21%がクロスボーダー取引であり、より多くの外国人買い物客がベルギーのオンラインストアを利用しているという。これらの取引のほとんどは、ベルギーの店舗で買い物をしているフランス人(38%)とオランダ人(37.5%)の消費者によるものである。

 

今でもBancontactが最も人気の決済手段

オンラインショッピングの61%以上が、ベルギーで最も人気のある決済手段であるBancontactで決済されている。Google Payや後払い決済サービスも市場に参入してはいるが、そのシェアははるかに小さい。

 

※当記事は欧州のニュースサイト「Ecommerce News Europe」の3/11公開の記事を翻訳・補足したものです。