Facebookは、同社のチャット端末「Portal」の価格を50%引き下げるという決定と並行して、音声アシスタントの開発に取り組んでいる。

ニュース専門放送局CNBCの報道によると、FacebookはAmazonのAlexaやGoogleのSiriに似た「音声アシスタント」の開発に取り組んでいるという。同社の新しいAIアシスタントの開発は、FacebookのAR / VRおよびFacebook Assistant担当ディレクターを務める Ira Snyder氏が率いるワシントン州レドモンドのチーム主導で行われていることを、2人のFacebook元従業員がCNBCに対して認めたとのこと。

Facebookがどのように音声アシスタント技術を実装するかは正確にはわかっていないが、CNBCの報道によると、Facebookはスマートスピーカーのサプライチェーン供給業者と接触しているという。

 

マーケティング担当者が留意すべき点

Facebookの音声アシスタント技術、さらに言えばスマートスピーカーデバイス分野への進出は、あまりにも突然で疑問点も多い。同社は、ユーザーデータの不適切な管理と、悪用業者からプラットフォームを保護することに失敗した事実に対する危機管理業務に、数ヶ月間を費やしてきた。4月15日の週、Facebookは翌月のビデオチャットデバイスPortalの価格を199ドルから99ドルに引き下げた。Facebookが在庫を減らそうとしているのは、良い兆候ではない。

それでもFacebookにとって、2018年はまだ成功の年だった。同社の広告収入は、166億ドルだったと報告されている。広告価格は2%低下したが、一方、広告表示回数は34%増加したことを明らかにしており、広告主は今もなおFacebookを支持していることを示した。Facebookが、同社の精度の高い広告ターゲティング機能と音声アシスタント搭載機器の長所を結びつけることができるという考えに、一部のマーケティング担当者は食い付いている。しかし、Facebookに対し不信感を抱き、Facebookがスマートスピーカーハードウェアを介して自宅へ入り込むことを誰も許可しなければ、それは問題となるだろう。

マーケティング担当者がスマートスピーカー市場をどのように最大限に活用していくかについてはまだわからないが、コンピュータ・ソフトウェア会社Adobe の10月の報告によると、ショッピングプロセスでそうしたデバイスを使用しているのは、スマートスピーカー所有者の47%であるという現実的な可能性を示した。このように、音声アシスタントスマートスピーカーはマーケターにとって可能性を秘めているが、実際AmazonとGoogleがその市場を独占している。もしFacebookが、すでに自社のビデオチャットデバイス販売に苦戦しているのであれば、Amazon AlexaまたはGoogle Homeとの競争は、論理的に考えて次の一手とはならないだろう。

 

Facebook社に、こうした音声アシスタント技術を開発しているという報道が出ていることに対してのコメントを依頼しているが、今のところ回答は得られていない。

 

ニュースの追加情報

  • Facebookが音声アシスタント技術に取り組むのは初めてではない。2015年、同社はMessenger上で稼働する音声アシスタント機能“M”を発表したが、昨年に提供終了した。

 

 

※当記事は、米国メディア「Marketing Land」の4/18公開の記事を翻訳・補足したものです。