LINE株式会社(以下LINE)は、LINEショッピングと呼ばれるECサイトへの送客のためのサービスを2017年6月15日にリリースした。LINEショッピングに掲載された商品ページから他社サイトに送客をする仕組み。今後はリアル店舗との連携も予定し、2018年度には流通総額1,000億円を目指している。

 

 

ユーザーはLINEショッピングを通じて商品を購入することでLINEポイントの還元を受けることができる。このサービスにより、ユーザーはECサイトで購入する際のポイントをLINEポイントに一元化できるようになり、EC事業者は、送客だけではなく、ショッピングモールを通すことで、自社に顧客データがたまりづらくなるという課題を解消できる。

LINEショッピングの構造はショッピングモールのように、ショップ名や、商品名、色によってほしい商品を検索することが可能であるが、LINEショッピングには買い物カゴが存在せず、決済機能がないことが最大の特徴である。現在6,800万人いるLINEユーザーはLINEショッピングを通じて、ECサイトへ送客される。

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ユーザーは、LINEショッピングを経由して商品を購入した金額によってLINEポイントが付与され、企業はユーザーの顧客データを手に入れることができ、LINE公式アカウントへの友達登録の増加を見込むことができる。

また、LINEは事前に、LINEショッピングからECサイトへの送客数と実際に購入に至ったユーザーの関係性と、送客した企業がどれだけ新規ユーザーを獲得したのかを調べるトライアルを2016年12月から半年間実施した。その結果、ECサイトへの送客後のコンバージョン率は平均22.8%を記録し、各企業からは顧客データの増加が報告されたようだ。

そして、女性の利用率が高いという、トライアルの結果から、フェーズ1として、ファッション、雑貨、インテリア、コスメ等100を超えるショップが参加。リリース記念として、人気アパレルブランド数社で商品を購入すると、15%のLINEポイントでのキャッシュバックキャンペーンがリリース初日の6月15日から行われる。

今後LINEショッピングはフェーズ2として、ECサイトだけではなく、リアル店舗との連携・送客も実現するつもりだ。リアル店舗との連携は2018年の正式リリースを構想し、オンライン・オンライン合わせて流通総額1,000億円を目指す。

 

LINEはフリマアプリであるLINEMALLを2013年12月にリリースし、約2年半後の2016年5月に撤退。レッドオーシャンと化したCtoC市場への後発の参入での失敗から、こちらも熾烈な競争が繰り広げられているBtoC市場に送客という形でLINEの強みを活かした形態で再びEC業界に参入してきた。決済機能を持たない、新しい形のショッピングサービスであるLINEショッピングは市場に受け入れられるのか、注目していきたい。

 

<参考>

LINE MALL(ラインモール)待望の船出 - グランドオープン時の展開とEC業界に与える影響

激動するフリマアプリ市場のこれまでとこれから - メルカリは世界を獲れるのか