デジタルビジネス支援を行う、海外SaaS商社の株式会社ギャプライズは、6月の調査に引き続き第2弾として、2024年8月国内ネット通販事業者のECサイト表示速度ランキングを発表した。

 

 

LCPについて

 

LCPとは、Largest Contentful Paint(最大視覚コンテンツの表示時間)の略で、Googleが定めたCore Web Vitals(ウェブの重要指標)の1つを指しており、ウェブページを開いてから、画面の主要な部分(一番大きな画像や見出しのテキスト)が表示されるまでの時間を測定したものとなっている。つまり、LCPの値が小さいほど、ページの主要コンテンツが素早く表示され、ユーザーにとって読み込み速度が速く感じられるということだ。さらに、Googleは、LCPの基準値を定めており、ページの読み込み開始から2.5秒以内にLCP要素が表示されればユーザー体験は良好で、4秒を超えるとユーザー体験が低いと判断される。また、ルノー社の改善事例によるとLCPは1秒未満までその改善効果が得られることがわかっている。

 

 

ランキング結果

 

まず、全体的な状況として、8月の調査では、100サイト中75サイトがLCP2.5秒以内を達成していた。これは6月の85サイトから減少しているものの、依然として多くのサイトが推奨される基準内のパフォーマンスを維持していることが分かる。特に、アイリスオーヤマは6月の39位から8月には9位へと大幅に順位を上げ、ウェブサイトパフォーマンスの改善に成功した事例と言える

また、Amazonのスコアはほぼ変わっていなかったものの、Amazonより速いサイトの数が6月の25サイトから29サイトに増加しており、これは、積極的に改善を進めているサイトとそうでないサイトの間で格差が広がっていることを示唆している。二極化が進んでいる状況だが、LCPスコアの改善は直接的にユーザー体験と売上に影響を与えるため、継続的な最適化が重要と考えられる。このため、サイト構造の見直しやコンテンツの最適化など、今後は多角的なアプローチでさらなる高速化を目指すことが求められるだろう。

 

 

まとめ

 

今回の結果は、日本のeコマース業界全体でウェブパフォーマンスの重要性が認識されていることを示している反面、改善のペースや取り組み方に差があり、それが企業間の競争力の差となって表れ始めていた。特に、一部の企業が大幅な改善を達成している一方で、全体的には6月と比べて基準を満たすサイト数が減少していることから、業界全体としての継続的な努力と注意が必要となりそうだ。

 

 

株式会社ギャプライズの概要

 

ギャプライズは2012年以降、世界各地から革新的なテクノロジーを見出し、提案し続けることで差別化を目指してきた。また、2023年にはGoogleオプティマイズサービス終了に際し、公式推奨される3つのABテストツールを国内で唯一取り扱い、2024年2月からはサイトスピード改善ツールを複数取り扱うサービスを開始するなど、特定のテクノロジーの紹介にとらわれない、クライアントのニーズに応じた多様な選択肢を提供できるSaaS商社としての取り組みを実施している。ギャプライズは先進テクノロジーの導入やコンサルティング業務を通じて、市場分析、認知や獲得を目的としたオンライン集客、サイト内ユーザー体験の最適化、コンテンツ管理、プロジェクト管理、AI技術など幅広くクライアントの課題解決を行いながら、ビジネス成長を加速するための伴走を続けていくとのこと。