生成AIの盛り上がりが非現実的な期待を生む中、マーケティングリーダーの63%がテクノロジーへの投資を計画していると回答。

米国のITアドバイザリー企業Gartnerの2つのレポートによると、生成AIの盛り上がりが期待を膨らませすぎている中、マーケティングリーダーの63%が今後24か月の間にテクノロジーへの投資を計画していると回答している。

Gartnerは、セールス向け生成AIとエモーション(感情認識)AIはともに、「期待の高まりのピーク」にあるとみなしている。これは、テクノロジーリーダーによる大々的な宣伝活動の結果、ある程度の成功はあるものの、イノベーションが限界に達するにつれて失敗も多くなる「過度の熱狂と非現実的な予測の段階」と定義され、儲かっているのは、カンファレンスの主催者とコンテンツのパブリッシャーだけであるとする。この後には、同社の宣伝サイクルマトリックスにある「幻滅の谷」が続く。

Gartnerが実施した2023年のMarTech調査によると、マーケターの3分の2近くがAIへの投資を計画している一方で、14%はすでに投資済みである。熱意とは裏腹に、生成AIについてリスクよりも見返りが大きいと考えているのは回答者の半数強だけである。

また、熱意に関していえば、Marketing AI InstituteとDrift(米国に本拠を置く、会話型のマーケティング・販売テクノロジー企業)が行った調査によると、マーケターの91%が、今後12か月間のマーケティングの成功にとって「AIは極めて重要」、「非常に重要」、または「ある程度重要」であると回答している。

2023 State of Marketing AI Report」の調査対象者のうち、AIの用語や機能の理解について35%が「初心者レベル」、54%が「中級レベル」にあると回答し、「上級レベル」と答えたのはわずか11%と、AIはまだ十分には理解されていないという事実があるにもかかわらず、上記の回答が出ているのだ。

それでは、AIを活用した最新のマーテックソリューションや追加機能、アップグレードを紹介しよう。


・AI広告プラットフォームのQuickads.aiは、バーチャルな商品写真撮影機能を提供しており、広告主は写真撮影の手間を省きつつ、ビジュアルコンテンツを簡単に制作できるようになる。また、ブランド要件に合わせてパーソナライズできるドメイン固有の広告テンプレート、コンテンツ生成機能、エラー検出機能、コンテンツ更新機能も備えている。


Twilio(米国のクラウドコミュニケーションプラットフォームサービス企業)が提供する「CustomerAI1」は、効果的なAIユースケースを下支えするCDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)のイノベーションとともに、予測・生成AIツールを強化してくれる。同社の「CustomerAI Predictions」を使うことで、マーケターは、顧客の生涯価値、購入や解約の可能性、そして「Twilio Segment」で追跡されたその他のイベントに基づいて、追加設定を要することなくターゲットを絞ったオーディエンスを形成したり、カスタマージャーニーを始めたり、マルチチャネルエクスペリエンスをパーソナライズしたりすることができるようになる。また、AIを搭載した「Voice Intelligence」は、会話音声認識機能を備えた文字起こし・言語オペレータツールを使用してインサイトを抽出してくれる。「Twilio Flex」と「Voice Intelligence」を利用するユーザーは、自動化された個人情報の編集機能を使って規制要件を管理することも可能だ。


・文章作成AIのEKOMは、デジタルアセットの作成・最適化エンジンである。CMS(コンテンツ管理システム)との間で直接データをインポート・エクスポートし、一括最適化することができる。SEOデータと併用することで、EKOMは市場の検索意図とCMSデータを相互参照し、収益をもたらす商品アセットを提供することができる。また、EKOMのトラフィック解析を使用して、レコメンデーションを作成することもできる。


※当記事は米国メディア「MarTech」の8/24公開の記事を翻訳・補足したものです。