新しい調査によると、マーケターのほぼ半数(44%)が、少なくとも月に一度はAIによる不安を経験しているという。


人工知能(AI)は以前からマーケティングテクノロジーの一部であったが、ChatGPTの登場により、この話題は一気に注目を集めた。その結果、AIを活用したソリューションが日々発表されている。

ここ最近に発表された、AIを活用したマーテック製品やプラットフォーム、機能について、概要を紹介しよう。

Persado(機械学習やオムニチャネル、生成AIを提供する米国のソフトウェア企業)の「Essential Motivation」は、マーケターが魅力的なメッセージを作成するための生成AI言語のハブである。リアルタイムのコンテンツ生成、ブランドの声を改善するためのコンテンツのインサイト、そしてコンテンツをマーケティングプラットフォームに配信する機能を提供している。

App Science(アプリ向けパフォーマンス管理プラットフォームを提供する米国企業)は、自社のインサイト分析ダッシュボードに新しいAI機能を追加した。これは、ダッシュボード内にあるメトリクスの自動分析を行うもので、メディア代理店やブランドはデータセットの点と点を結ぶことが容易になる。ユーザーは、キャンペーンのリーチの測定、リッチオーディエンスに関するインサイトの入手、キャンペーンの頻度の確認、キャンペーン全体の影響に関する分析を行うことができる。

Qualtrics(エクスペリエンスマネジメントプラットフォームを提供する米国企業)の「Qualtrics Automated Summaries for Video Feedback(動画フィードバックの自動要約)」は、何時間もの動画投稿を分析して主要なテーマ、最高の引用やインサイトを生成し、また即座に要約を作成することで、関連する動画応答を手作業で要約するのに費やす時間を短縮してくれる。こうした要約には、各テーマに関連する逐語的な引用が含まれているため、リサーチャーはそれぞれの要約の正確性や関連性を確認することができる。

Crossing Minds(レコメンデーションプラットフォームを提供する米国企業)のeコマースデータエンリッチメント製品により、顧客は直感的に商品を発見できるようになる。この製品は、既存の商品データを整理し、商品画像とテキストデータに基づいて新しい直感的なデータラベルを追加する。また、最も関連性を有する一般的な検索クエリに対する自動タグ付け、フォーマットの修正、重複の削除、データの再分類を行い、すべての商品データが同じ基準に適合するようにしてくれる。商品データに不足・誤り・矛盾があった場合には、データ品質スコアを取得し、予防的にアラートが表示される。

Clicks Daily(AIベースのトラフィックジェネレーターを提供する米国企業)のAI搭載プラットフォームは、テレビを含むすべての家庭内コネクテッド・スマートデバイスにターゲットメッセージを直接配信する。このプラットフォームにより、ブランドはスマートテレビ、音声アシスタント、コネクテッド家電などの多様な家庭内スマートデバイスを使って、ターゲット層とシームレスにコミュニケーションできるようになる。

LongShot AI(AIを利用したコンテンツアシスタントプラットフォームを提供する米国企業)の新しいエンドツーエンドのシステムは、ファクトチェックされた、ハルシネーション(AIが事実に基づかない情報を生成する現象)が生じていないテキストを生成するように設計されている。ビルトインされているファクトチェッカーにより、生成されたコンテンツは魅力的であるだけでなく、正確でターゲットオーディエンスにとって関連性を有するものとなる。このシステムは、信頼できる、検証可能な、SEOに適した長文コンテンツの作成に特化したものである。


今週の意外なAIに関する統計

Marketing AI Institute(AIによる競争優位性の構築を支援するためにマーケターにコンテンツハブを提供する米国企業)の新しい調査によると、マーケターの半数近く(44%)が、少なくとも月に一度はAIによる不安を経験しているという。

さらに、自社が組織的なAIトレーニングや開発の取り組みを行っていると回答したのはわずか15%であり、自社が今後1年間でAIを効果的に活用できると強く確信していると回答したのはわずか6%となった。それにもかかわらず、87%はAIがマーケティング目標に有益であるとしてAIに期待を寄せており、91%はAIの機能を活用する企業の能力を信頼していると回答している。

この矛盾は不可解である。


※当記事は米国メディア「MarTech」の8/17公開の記事を翻訳・補足したものです。