オランダのヘルスケアメーカーPhilipsは、同社のリファービッシュ(再生)製品の認知度向上と販売促進を図るために、「Better Than New(新品より良い)」キャンペーンを開始した。このキャンペーンの背後にあるクリエイティブシンキング(枠組みにとらわれないアイデアを生み出す自由な発想方法)は、「新品は良い」と「新品より良い」の間にある葛藤に注目している。消費者のニーズの高まりに応え、持続可能性と循環型経済への取り組みを強化するPhilipsの目標は、リファービッシュ(再生)とリユース(再利用)が可能な製品を製造することである。

 

PhilipsのRefurb Editions(リファービッシュ製品)を対象とした「Better Than New(新品より良い)」キャンペーンは、オランダのクリエイティブ・エージェンシーLePubとイタリアの画像専用雑誌TOILETPAPERの共同設立者が共同で制作。「新品は良い」と「新品より良い」という一見対立する考え方が生み出す創造性を利用して、イノベーションに対する固定観念を覆している。

 

このアイデアを実現するにあたり、LePubはPhilipsの広告アーカイブを探し、クリエイティブ・アート集団TOILETPAPERと協力して、Philipsの象徴的な印刷広告の伝統を刷新。TOILETPAPERのアートディレクターであるMaurizio Cattelan氏と写真家のPierpaolo Ferrari氏は、Philipsの過去のイノベーションを表したヴィンテージポスターを見返し、素晴らしいウィットと力強い視覚的美学を織り込んだ。その結果、Philipsの過去に忠実でありながら、TOILETPAPERのビジュアルの特徴のひとつであるレトロフューチャー(過去の人々が思い描いていた未来像)の破壊的で型破りなスタイルを備えた、Philipsのリファービッシュ製品のポートフォリオを表現するキャンペーンが誕生した。

 

このキャンペーンは現在、ドイツでは屋外、印刷物、ソーシャルの分野で展開されている。ハンブルクの中心部では、キャンペーンのレトロフューチャーなビジュアルアイデンティティを使ったポップアップストアが登場し、バーチャルで購入しながらライブで体験できる商品を用いて、「リファービッシュは未来だ」という考え方を宣伝した。このポップアップストアは、リユース製品が我々全員にとって、いかにより良い未来になるかを、説得力のある体験として提供した。

 

「Philipsでは、イノベーションとは長く愛用してもらえる高品質な製品を作ることだと考えている」と、Philipsのマーケティング・コミュニケーション担当グローバル・シニアディレクターであるJosefien Olij氏は述べる。「当社の最新のイノベーションであるリファービッシュ製品は、新品同様というだけでなく、新品よりも優れた製品だ。このリファービッシュ製品を発表できることを誇りに思う。『Better Than New(新品よりも良い)』キャンペーンは、完璧な製品を再利用することの利点について認識を高め、消費者が楽しく、簡単で、アクセスしやすい方法で新品の利用を減らし、より多くのリユース品を購入してもらうようにすることを目的としている」。

 

※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の6/30公開の記事を翻訳・補足したものです。