中古品販売の人気が高まっている。2021年、欧州のリコマース(中古品販売)市場は、750億ユーロの規模となった。同市場は2025年までに60%成長し、1,200億ユーロに達すると予測されている。
欧州オンラインファッション大手Zalando(本社:ドイツ)のような多くのオンラインマーケットプレイスは、消費者が中古品を販売できるサービスを追加している。しかし、消費者が中古品を再利用、リファービッシュ(再生品:初期不良品や中古品を修理、整備し、新品に準じた状態で販売すること)、リサイクル、再販売するバイヤーに販売することができるマーケットプレイスも増えている。これは「リコマース(中古品販売)」と呼ばれる。リトアニアのマーケットプレイスであるVintedは、そうしたc2cリコマースマーケットプレイスの一例である。
リコマースの市場シェアは14%に達する
ベルギーに本社を置き、EUの小売業者向けニュース、トレンド、洞察、イベント、ネットワーキングを提供するCross-Border Commerce Europeの調査によると、リコマースマーケットプレイスは、小売市場全体の20倍の速さで成長しているという。2025年までに、リコマース市場シェアは10~14%に拡大すると予想されている。
「消費者の93%が、中古品購入の意思決定にインフレの影響があると回答」
これらのマーケットプレイスはインフレによって成長が加速している。「少なくとも93%の消費者が、お金を稼ぐことと貯金することをより重視しており、中古品売買の意思決定にインフレの影響があると回答している」と同調査には書かれている。
最大のリコマースマーケットプレイスであるeBay
米国に本社を置くグローバルEC企業のeBayは、全体的に見て、最大のリコマースマーケットプレイスであり、中古品、リファービッシュ品(再生品)、再利用品の販売が長期間、そのマーケットプレイスの大部分を占めてきた。具体的なカテゴリーを見ると、家電製品がリコマース全市場の11%を占めることがこの調査で明らかとなった。さらに、オンライン自動車取引のおよそ半分がリコマースであることも分かった。
「ファッションリコマース市場は、2025年に370億ユーロになる見通し」
2021年のファッションリコマース市場は、200億ユーロと評価されており、2025年には370億ユーロに達する見込みだ。その市場シェアは2021年には14.5%だったが、2025年には21%にまで成長する見通しである。Vintedはこの業界における欧州最大の小売業者であり、6,500万人を超える会員を擁するコミュニティである。米国に本社を置くビンテージ品販売のRubylaneと、フランスのファッションマーケットプレイスVestiaire Collectiveが同社に続いている。
欧州におけるリコマース市場の台頭
※当記事は欧州メディア「Ecommerce News」の12/14公開の記事を翻訳・補足したものです。