他のフラッシュデリバリー企業が事業縮小や合併をする中、フードデリバリーサービスに関するプラットフォームを提供するWoltはサービスエリアを拡大している。フィンランドで創業した同社は、ウィーンとレイキャビク(アイスランドの首都)でもサービスを開始し、現在25か国で事業展開しており、そのほとんどが欧州の国々である。Woltはレストランと小売店の両方の注文を配達している。

今月まで、Woltはオーストリアとアイスランドでは事業を展開していなかった。最近、青い服を着たライダーたちがこれらの国の首都の街路を歩いている。Woltは、量も質も優れた品揃え、迅速な配達、ライブカスタマーサポート、週替わりのオファーの提供を約束している。


一時営業停止後の拡大

Woltは現在25か国で事業を展開しており、日本を除くすべてまたは一部の国が欧州にある。オーストリアとアイスランドでのローンチは、同社が一時営業を休止し、拡大しなかった期間を経て行われたもの。注目すべきは、フランスと英国はまだリストになく、イタリア、スペイン、オランダも含まれていないことだ。


DoorDash

Woltは2014年にヘルシンキで創業した。欧州でフラッシュデリバリーが勢いを増した2021年後半、アメリカ企業DoorDash(オンデマンドフードデリバリーサービス)による買収が発表された。それが承認されたのがおよそ1年前のことだ。その際、WoltのCEOであるMiki Kuusi氏は次のように語った。

「WoltとDoorDashは、ローカルコマースに対する強いビジョンを共有している」

買収直後の昨年夏、Woltは自社のダークストアからの商品配送を中止することを決定した。このモデルはベルリンで一時的に検討され、Getir(トルコの都市部に展開するデリバリーサービス)、Gorillas(ドイツの日用品デリバリーサービス)、Flink(欧州複数の都市で展開する生鮮品デリバリーサービス)といった他のクイックデリバリー企業を成功させたものである。

Woltはレストランや小売店向けの注文の配送に全面的に注力することにした。注文された商品は、35分以内に顧客のもとに届けられる。

Woltはレストランや小売店からの受注に力を入れている


ドイツにおけるWolt

ドイツはWoltにとって最も重要な市場である。同社のプラットフォームは、ドイツのEdekaTegutなどのスーパーマーケット、さらにはMcDonald’sやFlinkと提携している。


フラッシュデリバリー

欧州のフラッシュデリバリー市場は常に進化し続けている。トルコのGetirはドイツの競合Gorillasを買収し、同じくドイツのFlinkの買収にも関心を示していると伝えられている。一方、Uber EatsJust Eat Takeawayなどの食事注文プラットフォームも、食料品やその他の小売商品のデリバリー事業に参入している。

 

※当記事は欧州メディア「Ecommerce News Europe」の5/15公開の記事を翻訳・補足したものです。