トルコ最大のeコマースプラットフォームであるTrendyolがドイツでのサービスを開始した。これは、トルコ以外の国での最初の市場であり、同社のヨーロッパへの参入を意味する。さらに来年までに、オランダ、ルクセンブルク、ロンドンへの進出も計画している。

 

Trendyolは、独自の配送ソリューションや独自のデジタルウオレットを提供するオンラインマーケットプレイスで、3,000万人以上の顧客と、26万以上の販売者を抱えるトルコ最大のeコマース企業である。

 

ドイツ市場、年末までに4億ユーロの売上を見込む

Trendyolは、ドイツ進出を機にヨーロッパ市場に参入。本国トルコ以外では初の進出となる。同社のドイツ支店では、まずファッションに焦点を当て、将来的にはより多くのカテゴリーを提供していく計画だ。そのために、ベルリンに200人以上の従業員を擁する新オフィスを開設予定である。

 

「Trendyolのアプリはドイツで100万回近くダウンロードされている」

 

Trendyolによると、同社のモバイルアプリは、ドイツで100万回近くダウンロードされているという。また、イスラエルを本拠地とするウェブ解析会社Similar Webによると、Trendyolは2022年2月にドイツで2番目に急成長したファッションプラットフォームとなった。

 

ドイツ市場では、年末までに4億ユーロ以上の売上高を見込んでいる。また、2025年までにはドイツでの取引高が30億ユーロを超えると予測している。

 

ヨーロッパ市場へのゲートウェイ

Trendyolにとって、ベルリンはヨーロッパでさらに市場拡大するための出発点である。同社は今年後半に、アムステルダムとルクセンブルクにもオフィスを開設予定。2023年にはロンドン支店開設も予定している。

 

「ヨーロッパに6万5,000平方メートルの倉庫スペースを確保予定」

 

「ドイツへの進出は、当社のヨーロッパ全域への展開を開始したことを意味する」と、国際マネージングディレクターShibu Tharakhan氏はスタートアップメディアTech.euに語った。同氏は、東ヨーロッパの新しい倉庫とフルフィルメントセンターについても言及。「今後2年間で、ヨーロッパに6万5,000平方メートルの倉庫スペースを確保し、現地市場への進出をサポートする予定である」。

 

15億ドルの資金調達

Trendyolは、昨年8月、Softbankなどから15億ドルを調達し、それによりトルコで初の「デカコーン(創業10年未満で100億ドル以上の評価額を得たスタートアップ企業)」となった。昨年の初めには、Alibabaがおよそ3億ユーロを出資し、Trendyolの株式の過半数を取得した。

 

2020年に、Trendyolは初めてヨーロッパへの拡大計画を発表。当時は、イギリス、イタリア、スペインに目をつけていた。これらの市場はもう少し待たなければならないようだ。

 

※当記事はヨーロッパメディア「「Ecommerce News Europe」の5/31公開の記事を翻訳・補足したものです。