オランダのeコマースでAmazonが上位に食い込んできている。ドイツに本社を持つ欧州ファッションEC大手Zalandoやオランダのeコマース企業Wehkampを上回り、4位となった。オランダに本社を持つeコマース企業Bol.comが1位を維持している。オランダの家電量販店Coolblueは、ここ数年で初めて2位の座を明け渡し、オランダのスーパーマーケットチェーンAlbert Heijnがわずか3,000万ユーロの差でCoolblueを上回り2位となった。
オランダの雑誌Twinkleは10月13日、第14回オランダeコマース最大手ランキングを発表した。オンラインマーケットプレイスのBol.comが依然として1位を維持している。昨年は、スーパーマーケットチェーンのAlbert Heijnが2位に迫っていたが、今年、数年ぶりに家電量販店のCoolblueを凌ぎ、2位の座を獲得。そしてAmazonは急速に順位を上げ、トップ3に迫っている。
Albert Heijnが3,000万ユーロの差で2位に
オランダの最大手小売企業Albert Heijnは、2021年に27.5%の収益増を記録し、記録的な2020年よりはスローペースではあるが成長を続けている。パンデミックの年、同社の収益は実に45%も伸びたのだ。
「Bol.comとAlbert Heijnはオランダ最大のオンライン小売企業である」
昨年、CoolblueはかろうじてAlbert Heijnを上回ったが、現在はAlbert Heijnがわずか3,000万ユーロの差でリードしている。これにより、Coolblueは5年ぶりにオランダ第2位のオンライン小売企業ではなくなったことになる。
Amazonがトップ3に接近
Amazonは順位を2つ上げ、4位となった。eコマース大手Amazonの収益は、今年、5億ユーロから10億ユーロへと倍増した。これは、上位3社との収益差が5億ユーロであることを意味する。それによって、AmazonはZalandoとWehkampを上回った。
「AmazonがZalandoとWehkampを上回る」
その他、フードデリバリーサービスを提供しているオランダ大手スーパーマーケットJumboや、オンライン専業スーパーマーケットPicnicが上位に名を連ねている。昨年の新参者であるドイツのオンライン食材キット宅配サービスHelloFreshやオランダのデパートチェーンBijenkorfは、トップ10圏外に落ちている。代わりにAppleが9位、Ikeaが10位にランクインしている。
注目すべきは、最速デリバリーサービスを行っているフードデリバリー企業、ドイツのGorillas やFlink、トルコのGetir、イギリスのZappがランキングに初登場していることだ。しかし、Golliras(67位)とFlink(85位)だけがトップ100位に入ることができた。
マーケットプレイスもランキングに加わる
今年初めて、マーケットプレイスがランキングに加わり、250社から300社に拡大した。従来は、主に自社販売で収益を上げているプラットフォームのみが対象となっていた。
「今年は、サードパーティーの売上も、そのプラットフォームにカウントされる」
つまり、Bol.comやAmazonでのサードパーティーの売上は、プラットフォームだけでなく、パートナーセラーの売上にもカウントされる。そのため、収益の一部が二重にカウントされていることになる。 Twinkle誌は、この点を認識しているが、どこで取引が行われているかを報告するためだと述べている。これにより、eコマース大手eBay、AliExpress、Wishが初めてトップ100にランクインしている。
オランダのオンライン企業トップ10
1 Bol.com 41億ユーロ
2 Albert Heijn 16億ユーロ
3 Coolblue 15億ユーロ
4 Amazon 10億ユーロ
5 Zalando 9億1,500万ユーロ
6 Wehkamp 7億8,200万ユーロ
7 Jumbo 6億5,000万ユーロ
8 Picnic 5億5,000万ユーロ
9 Apple 4億9,000万ユーロ
10 Ikea 4億7,000万ユーロ
その他の欧州の国のオンライン企業トップ10
※当記事は欧州メディア「Ecommerce News Europe」の10/13公開の記事を翻訳・補足したものです。