株式会社メルカリは、中国市場における越境販売の経路拡大に向け、越境EC事業者のInagora株式会社、銘東株式会社、楽一番株式会社、株式会社トリプルアートの4社と提携を開始した。
これにより、提携企業が運営するECサイトを通じて、「メルカリ」上の商品を購入することが可能となる。
背景
経済産業省の調査によると、2019年の世界の越境EC市場規模は7,800億USドルと推計され、2026年には4兆8,200億USドルにまで伸長する等、市場の大幅な拡大が予測されている。このような状況下で、メルカリは、中期的な経営戦略としてさらなるグローバル展開に力を入れており、2019年から越境販売を開始し、国内だけでなく海外の顧客を含めた循環型社会の実現を推進している。最近では、2023年2月に、新たに越境EC事業者拡大後、利用者数は約2.8倍、取引数は3.2倍になるなど、越境EC領域は堅調に推移している他、開始時から2022年までの越境販売にかかるGMVも成長し、提携効果によって、2023年以降はさらなる成長を見込んでいる。
さらに、2022年12月に発表した「越境メルカリ トレンドランキング2022」では、海外からの“推し活”需要を受け、エンタメ・ホビー関連商品の取引が活発だった。中国市場においても、エンタメ・ホビー関連商品の人気が高く、最も多かったのは「おもちゃ」で、次いで「トレーディングカード」「フィギュア」の順となり、日本ならではのコンテンツにまつわるものや海外で購入することが難しいアイテムが人気であることがわかった。
今回の業務提携により、中国の顧客でも、Inagoraが運営する「日淘市集」、銘東が運営する「JPGOODBUY」、楽一番が運営する「楽一番」、トリプルアートが運営する「Masadora」などの運営するECサイトを通じて、「メルカリ」上の商品を購入することができる。なお、「メルカリ」の出品者は、これまで通りの配送方法と配送料での取引が可能だ。
提携企業・サービスについて
Inagoraは、「ショッピングに国境はない」をスローガンに、日本の優れた商品をインターネットを通じて中国を始めとした海外顧客に提供する越境ECアプリ「豌豆」を運営。越境EC事業のノウハウを生かして、2022年11月に代理購入サービス「日淘市集」を開始し、インアゴーラが決済や物流を代行することで、日本のECサイトと中国の利用者を繋ぐサービスを提供している。
銘東は、荷物転送サービス事業等を行う企業で、越境ECビジネスにおいては、国内外の顧客へ物流ソリューションを提供している。唯一、日本郵便局構内に流通センターを構える民間企業であり、海外の顧客が通販にて日本製品を購入した際の転送サービス等を手掛けている。また、3PL物流事業や航空海運輸出入代行事業、IT化ソリューションサービス等も実施している。
楽一番は2014年から“国境を感じないEC体験”を提供する海外配送サービス「楽一番」を運営している。関西及び関東に複数ロジスティクスセンターを完備、中華圏、東南アジア、欧米諸国の顧客向けに安さと速さで配送することを実現させ、40万人超の海外顧客へ累計500万件超の発送サービスを提供している。また、EC事業者向けにも、決済・運営代行・配送・広告を融合した海外販売ソリューションを提供している。
トリプルアートは、二次元越境ECプラットフォーム「Masadora」を運営している。この「Masadora」は、日本で販売されるアニメ・漫画・ゲームなどの関連商品を大量に取り扱う他、独自の倉庫と物流サービスでユーザーに安心かつmハイスピードな越境ショッピング体験を提供する。
メルカリは、今後もグローバルなマーケットプレイスを展開し、世界的な循環型社会の実現に邁進していくとのこと。