英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペインで、食品以外のオンライン売上高が最大4%増加すると予想されている。これは主にインフレによる物価の上昇が原因である。同時に、販売総量は最大で5%下落するとみられている。

 

英国に本社を置く配送技術プロバイダのMetapack、米国に本社を置きWeb ベースの注文管理および発送ソフトウェアを提供するShipstation、英国に本社を置く経済調査コンサルタントのRetail Economicsによる新しい調査結果の一部である。この調査は、英国、ドイツ、フランス、スペイン、イタリアを含む8か国で、730以上の小売業者を対象に行われた。

 

2023年のイタリアの小売売上高は2,000億ユーロの規模になると予測

同調査によると、欧州市場における食品以外の小売売上高は、2.3~4%の成長が見込まれている。最も成長率が高いのは、2023年に売上高が2,000億ユーロを超えると予測されているイタリアである。しかし、この4%の増加は、物価の上昇が主な原因だ。つまり、欧州での販売総量は1.2%(イタリア)~約5%(英国)減少することになる。

 

家庭用品および家電は最も影響を受ける

英国とドイツでは、買い物客の30%以上が「物価上昇のため、必要なものだけを購入している」と回答している。この割合はフランス、イタリア、スペインではさらに多くなっている。これらの国では、消費者の約60%が必要なものだけを購入しているとのこと。

 

「32%は健康や美容商品への支出を継続」

 

この調査によって、家具と家庭用品の製品カテゴリは、最も購入を回避されるリスクがあることが分かった。消費者の68%が購入予定を遅らせる、または注文をキャンセルするとしている。家庭用品の次に家電が66%と僅差で続いている。一方、好調なのは、健康、美容商品で、最も多くの買い物客(32%)が支出を継続する、と回答した。

 

配送コストがより重要に

さらに2023年には、買い物客は配送コストも重視するようになる。配送コストを重視する消費者は2022年と比較して5%増加している。同時に、配送スピードを優先する人は、2022年は27%であったのに対し、2023年は22%止まりである。配送時間帯の選択など配送の利便性を求める人も、2023年には5%低下している。

 

「2023年は配送コストを優先する人が5%増加」

 

また、この調査では、オンライン買い物客は、オンライン返品にかかる費用を負担したくないと考えていることもわかった。2022年は消費者の27%が返品費用負担について気にしていなかったが、2023年はその割合が24%に減少している。

 

中古市場がさらに一般的に

インフレの影響で、買い物客はさらにえり好みするようになり、中古市場の需要が高まりつつある。というのも、消費者の4人に1人は、2023年に中古市場のプラットフォームをより多く利用する予定だと回答しているのだ。この割合は、必要な商品だけを買いたい買い物客の方が高く(39%)なっている。

 

※当記事は欧州メディア「Ecommerce News」の2/8公開の記事を翻訳・補足したものです。