食料品オンライン市場の世界ランキング上位10カ国の総売上は、5年後の2023年、年20%の伸び率でおよそ2,000億ユーロに達すると予測されている。その上位10カ国のうち4カ国を欧州諸国が占め、イギリス、フランス、ドイツ、スペインは、ヨーロッパの中で最も大規模なオンライン食料品市場になる見込みだ。

 

イギリスの食品業界のリサーチ機関であるInstitute of Grocery Distribution (IGD) は、2023年までのオンライン食料品市場世界トップ10を発表した。その調査によると、(ランキングトップの)中国は今後5年間で年平均成長率が31%になると予測され、その市場占有率は3.8%から11.2%に増加する見込み。これはつまり、中国のオンライン食料品市場が、2023年には今年度の上位10カ国の総売上と並ぶような規模に拡大することを意味する。

 

イギリスのオンライン食料品市場は194億ユーロに

現在のイギリスのオンライン食料品市場は128億ユーロであるが、今後5年間の年平均成長率は7.8%で、194億ユーロに増加すると見込まれている。市場シェア率は、5年間で6%から7.9%に増えると予測された。

 

フランスのオンライン食料品市場のシェア率は現在4.5%

フランスの食料品市場規模は現在102億ユーロ。年平均成長率は8.2%と予測され、2023年には151億ユーロに達する見込みとのこと。またその市場シェアは、現在の4.5%から5年後には6%になると予測されている。

 

現在世界ランキング8位のドイツ

現在世界ランキング8位のドイツの市場規模は11億ユーロだが、今後5年間の年平均成長率は23.3%で、2023年には33億ユーロを越えると見込まれている。現在のオンライン食料品市場シェア率は0.5%とそれほど高くはないが、5年後には1.2%になると予測される。

 

スペインのオンライン市場規模は現在7億9,000万ユーロ

世界ランキング10位となったスペインでは、現在の市場規模が7億9,000万ユーロ。5年後には年平均成長率17.9%で18億ユーロになると見込まれている。シェア率は現在0.7%だが、2023年には1.4%になると予測される。

 

ヨーロッパで平均市場成長率を上回る欧州諸国

「成熟した西ヨーロッパ市場では、オンラインの成長の機会が継続するだろうと予測している」と、IGDのヨーロッパ中東アフリカ地区Retail Insight のトップであるJon wright氏は言う。「イギリス、フランス、ドイツ、スペインのオンライン食料品小売は、その市場シェアを拡大し、市場平均成長率を上回ると見込んでいる。また同4カ国の小売業者や製造業者は、顧客の多様化するニーズに応じるべく、パーソナライゼーションされた使いやすく利便性の高いサービスの実現し、さらにオンラインとオフラインの融合への投資を進めていくため、著しい成長機会が期待されるだろう」。

 

イギリス・フランス・ドイツ・スペインにおけるオンライン食料品市場

 

※当記事は英国メディア「E-Commerce News Europe」の11/5公開の記事を翻訳・補足したものです。