この一年で自社開発のマーテックツールが急増しているが、その理由はほぼ間違いなくAIにある。
米国メディア「MarTech」の「MarTechCharts」セクションでは、マーケターやマーケティング業務の専門家が関心を持つデータを定期的に取り上げている。

出典:MarTechの「2025 State of Your Stack Survey(2025年スタックの現状に関する調査)」
MarTechの「2025 State of Your Stack Survey(2025年スタックの現状に関する調査)」によると、マーケターが自社のスタックに追加する予定のツールや機能の約4分の1は、自社開発のソリューションになるという。
一方で、こうした新しいツールの約60%は商用ベンダーから提供されることになるが、これは意外な逆転劇である。
というのも、この調査から1年もさかのぼらない時期に実施されたもう一つの調査、「2024 MarTech Replacement Survey(2024年マーテックのリプレースメントに関する調査)」では、自社開発ソリューションが絶滅寸前であると報告されていたからである。

出典:MarTechの「2024 Martech Replacement Survey(2024年マーテックのリプレースメントに関する調査)」
リプレースメントに関する調査の回答者の70%以上が、「商用ツールを別の商用ツールに置き換えた」と回答しており、商用アプリケーションを自社開発ソリューションに置き換えたのは10%未満だった。
では、自社開発のマーテックアプリケーションが再び台頭してきた背景には何があるのだろうか。おそらく、それは「AI」だろう。AIによって、深いコーディングの知識や経験がなくてもアプリケーションを作成できる「市民開発者(Citizen Developers)」の活躍が可能になるのだ。