オンライン家電量販店のAOは、今後5年間で売上高を2倍以上に増やしたい考えだ。また、AOは、同期間で5つの異なるマーケットで事業を展開することも目指している。同社は通年の業績発表の中で、「我々の使命は、電気製品の世界的なデスティネーションストアとなることだ」と明言した。

 

昨年のAOの収益は、62%増加の19.1億ユーロ(約2,472億円)に達した。これは、主に、生活必需品以外を取り扱う店舗が閉鎖を余儀なくされ、多くの消費者がオンラインショッピングに切り替えたために増加した製品売上によるものだ。

 

「ドイツの市場シェアは2倍の3%以上に」

 

CFO(最高財務責任者)のMark Higgins氏によると、需要の高い製品構成は年間を通じて変化したという。多くの顧客が年初に購入したのは冷凍庫だったが、後半になると、ゲーム機や家電製品といった主要な家庭用電化製品が高い人気を博した。

 

AOの収益の大部分を英国が占める

AOの収益の大部分は英国からのものであり、同国では59%の事業成長と、16億ユーロの売上を達成した。一方、同社の発表によると、ドイツにおいても力強い成長を遂げており、市場シェアが、2倍となる3%を超えたという。ドイツ市場の収益は、81%増の2億6,400万ユーロとなった。

 

eコマースへの移行は順調

AOの通年業績発表[pdf]において創設者兼CEOのJohn Roberts氏は、「当社の使命は電気製品の世界的なデスティネーションストアとなることである。そして、オンラインへの移行は、我々にとって非常に有利に働いている」と述べている。同氏はまた、今後5年間で、5つの地域に進出し、現在の2倍以上の売上高を達成することを目指していると付け加えた。「そして我々は、合計約1,380億ユーロ規模の市場で事業を行うことになるだろう」。

 

「AOは1日に約14,000回の配送を行う」

 

1999年のローンチ以来、オンライン家電量販店であるAOは、800万人を超える顧客を迎え、昨年だけでも200万人の顧客が利用している。同社は、英国とドイツ全体で1日あたり約14,000の配送を行っており、約100万平方メートルの倉庫を保有している。

 

イタリア、フランス、スペインへ拡大か?

2016年の初めに、AOはオランダに進出したが、その3年後、オランダの事業から撤退し、英国とドイツに注力することにした。しかし現在、AOは、今後数年間で新たなマーケットへの拡大を試算しているようだ。Roberts氏はこう語る。「場所と時期については、11月の中間決算発表で詳しく説明する予定だ。しかし、欧州での展開に関しては、イタリア、フランス、スペインといった大きなマーケットで勝負できると信じている」。

 

 

※当記事は欧州メディア「Ecommerce News」の7/5公開の記事を翻訳・補足したものです。