オーストリアのフルフィルメント会社であるByrdは、シリーズCの資金調達ラウンドで5,307万ユーロ(約74.5億円)を調達した。同社は、この資本注入によって、欧州内で翌日配達を提供する予定。同社は現在、欧州の7つの市場で事業を展開しており、今後さらに3つの市場へ拡大する見込みだ。

 

Byrdは2016年にオーストリアで設立され、欧州全域のオンライン販売者にフルフィルメントサービスを提供している。同社は、昨年7月に1,600万ユーロを調達し、国際的な拡大を加速させた。この資本注入により、同社はイタリアとスペインにフルフィルメントセンターを開設した。

 

「Byrdの倉庫総容量は約450.000m²に及ぶ」

 

同社によれば、前回の資金調達ラウンド以降、顧客一人あたりの平均売上高は2倍になっているという。さらに、その倉庫総容量はほぼ3倍の約450.000平方メートルにまで拡大。そして今、同社はCambridge Capital(サプライチェーンに投資するプライベート・エクイティ・ファーム)が主導したシリーズCラウンドで5,307万ユーロを調達したと発表している。

 

欧州での翌日配達

この投資により、同社はプラットフォームに新しい機能を追加することができるようになり、小売業者による欧州の顧客への翌日配達を支援したい考えだ。「オンライン小売業者は、消費者から、送料を取らずにできるだけ早く配達するようプレッシャーをかけられている。同時に、世界的なサプライチェーンの危機は利益を圧迫し、配達の問題を引き起こしている」とByrdのCEOであるAlexander Leichter氏は述べている

 

「Byrdの成長計画を加速させるのにふさわしいタイミングだ」

 

「小売業者は、自社のグローバルなコア市場をカバーするスケーラブルなフルフィルメントサービスを模索する必要がある。Cambridge Capitalからアプローチを受けた際、昨年の当社の大きな勢いとテクノロジーを駆使したロジスティクス投資の専門知識を組み合わせて、成長計画を加速させるのにふさわしいタイミングであると判断したのだ」。

 

商品と地域の拡大

商品の強化に加え、同社はAmazonのセラーフルフィルド・プライムプログラムへのサポートを開始することも計画しており、FBAに代わるサービスを模索するAmazonの成功セラーの市場に参入できるようになる。また、eコマースソフトウェア、ERPシステム(企業の持つ資源を集めて(企業資源計画)管理し活用するシステム)、注文管理ソフトウェアとの統合も新たに追加される予定だ。

 

「Byrdは今年後半にスウェーデン、デンマーク、ポーランドでローンチ予定」

 

Byrdは、英国、フランス、ドイツ、オランダ、オーストリア、イタリア、スペインのローカルチームを拡充し、既存市場での存在感を強化したい考えだ。同社は、今年中にスウェーデン、デンマーク、ポーランドでのローンチを予定している。これにより、同社は欧州10カ国に30カ所以上の倉庫を保有することとなる。

 

※当記事は英国メディア「Ecommerce News Europe」の5/11公開の記事を翻訳・補足したものです。