中国オンライン小売大手JD.comはヨーロッパでサービスを開始する準備を進めている。

2019年にフランスでeコマースプラットフォームを立ち上げ、デリバリーサービスを開始予定。その後イギリス、ドイツへ進出予定とのこと。

こうした情報は、JD.comの創始者兼最高責任者Richard Liu氏が英国の経済紙「Financial Times」に伝えたものである。

JD.comは数年以内にヨーロッパ中で事業拡大したいと考えており、そのためにまずヨーロッパ三大eコマース市場であるフランスイギリスドイツへ進出する目論みだという。

 

フランスに2年間で10億ユーロを投資予定

最初の計画はフランスで物流ネットワークを築くことで、この先2年間で少なくとも10億ユーロ投資する予定とのこと。一方、Amazonは、2010年から6年間でヨーロッパ市場に150億ユーロを投資している。

 

さらにJD.comは初の欧州リサーチセンターを設置する計画があり、2019年上期にイギリスのケンブリッジに設立するのを目標としている。中国国外の自社のリサーチセンターとしてはこれが2番目となり、人工知能とビックデータに重点的に取り組む予定だ。

2018年2月初め、Lui氏はイギリスのTheresa May首相と面会し、2、3年後には彼の会社が22億ユーロ強のイギリス製商品を中国人顧客に販売することになるだろうと伝えているという。

 

ヨーロッパにおける迅速な配達

JD.comがアリババやAmazonと異なる点は、自社独自の物流ネットワークを所有し運営していることだが、それが迅速な配達を可能にしていると同社は言及。

「我々の効率性は自社の物流管理技術によるもの。我々は創業当初から物流システムをオンライン化している」とLiu氏は説明した。また、「DHLなどの企業は、数十年にわたり技術でシステムを築き上げてきた。そんな彼らが一夜にしてシステムを変えることは容易ではないだろう」と加える。

JD.comもヨーロッパではラストマイルデリバリー(末端の配送拠点から顧客の玄関先までの配達)に関しては現地パートナーと提携を考慮しているものの、一方でヨーロッパ大陸内に自社の倉庫ネットワークを所有する計画もあるようだ。

 

<参考>

【中国】図解 - Amazon、アリババ、JD(京東)のビジネスモデル

 

※当記事は欧州メディア「Ecommerce News」の2/5公開の記事を翻訳・補足したものです。